HERMES Clipper CL6.710電池交換メンテナンス
2018.12.20お預かりのHERMES Clipper CL6.710電池交換メンテナンスです。
2本届いたうちの1本。
竜頭の動きをチェックしますが不動です。固着しており回す事も引くことも出来ません。
ステンレス無垢バンドに三つ折れバックル。
弓環やラグ部の汚れもチェックします。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
「竜頭と竜頭パイプ」部分も固着しており、更に「巻芯と竜頭パイプ内」でもサビで固着しております。この状態は先ず、竜頭を回すしかありません。回して「竜頭と竜頭パイプの固着を解消」しないと作業が先へ進めない。
作業の前に電池を入れて動作確認。
竜頭を回すと折れました。巻芯の内部までサビで浸食されていたようですね。
竜頭パイプもチェックして。
サビで竜頭パイプが詰まっております。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。サビは竜頭パイプ内だけのようです。
巻芯の先までは浸食は進んでおらず錆びた粉がムーブメント内に散乱するのは免れた感じです。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたが竜頭パイプが詰まったままで、詰まった巻芯の一部を突き出して再度、洗浄しました。
問題は竜頭側ですが巻芯が根本で折れており。竜頭と巻芯を分離することは不可能。
よって「竜頭交換」しない限り針が回せません。つまりは動いても時間合わせが不可能。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
全体的にツヤが出て綺麗に。
弓環も洗浄して綺麗になりましたが、バネ棒が壊れておりましたので交換します。
ブレスも洗浄して綺麗になりました。
竜頭交換ですが当然、純正パーツの入手は不可です。よって既製品でマークもありませんが似たサイズの物で合わすしかありません。
せめて巻芯が折れ込んでいなければ。摘まんで回して抜く事が出来れば竜頭のみは活かせたのですが仕方がありません。
「バックルの不具合」もご依頼ですが押しても閉まりません。
コマ全体の遊びが多くなっておりコマ同士の動きの影響で、ピンが抜けかけております。これは接着剤で固定すれば問題無いでしょう。
問題無く閉まりましたが、食い付きが甘いので「折り畳み部分のカーブを修正」して不具合は解消。
あとは「竜頭交換」を行うかどうかの連絡待ちとなります。
「修理進行」の指示がありましたので修理センターさんへ送って見積もりを待ちます。
「既製品、竜頭で交換」という事で修理可能。ただ見積もりが出のは年末ですから年明けの納品となります。
2019.1.17修理センターより上がってきました。もちろん既製品ですから防水機能は極端に落ちるでしょう。
年越しになりましたが「電池交換&洗浄3.100円コース+竜頭&巻芯交換」完了で電池交換メンテナンスで完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。