OMEGA Seamaster 1455 電池交換メンテナンス&コマ足し
2017.6.4お預かりのOMEGA Seamaster 1455 電池交換メンテナンス&コマ足しです。ご依頼の時に「コマ足し」もご依頼で。
外すのは簡単ですが足すとなればご自身で調達して頂く必要があります。
さすがにガラ箱にはブランド・ウォッチの不要品は殆どありません。
ご自身で調達頂くということで、お申し込みからしばらくして到着いたしました。
4本届いたうちの1本。
余りコマも同梱で到着。お客様「調達してから電池交換で送ります」と言う事で到着。
正しいコマが調達出来るのか心配でしたが、幅も合っておりパーツも揃っている。
あとは繋いで足すだけと思われましたが!
何と本体のブレス側を見て驚いた!この形式のブレスは初めて見ます。
私の知ってるコンステレーションのブレスは、両サイドから突ける穴が見える。
ところが、この時計は片方のみで、片方はリベットの様な形状。
果たして繋ぐことが出来るのか?
これが調達頂いたコマです。どちらから見ても穴の中にピンが見えます。
本体に装着してあるブレスは片方からしか突けず。突いて見ると”バネ棒”。
これには驚きです。
これは初めて見ました。
と思いながら裏蓋を見ると何となく文字が粗い感じもします。
これって本物か?と開けて見ることに。
裏蓋の裏側もチェックして。裏蓋記載からは本物でしょう。
これがムーブメントですが紛れもなく本物。というかコンステレーションの偽物は見た事が無いですが。
ムーブメント拡大。
さて同梱のコマのパーツを分解します。
サイズは同じなので何とか繋げないか?
調達といっても5.000円くらいは掛かっていると思われますから無駄にも出来ず。
まして装着のブレスト同じコマなど探しても見つからないでしょう。
コンステレーションでも古いタイプと思われます。
元から装着のバネ棒が使えるのか?
装填出来ました。しかし後で奥行きの寸法からピンが通せない事に気がつきます。
ジョイント部分の幅。これが同じで無ければ基本的に使えません。
幅は同じですから細工をすれば使えるか?
洗浄作業に進む前に電池を入れて動作確認。
動作確認は出来ました。このコマの装着はかなりの手間が掛かるでしょうから。
装着したは「動かないので返却」ではコマに掛かった手間が無駄になり大変。
数時間、動作確認してから先へ進みます。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
コマを足すために外してみます。
この状態でラグ部の様にバネ棒で装着すればOKと思いきや。パイプの厚みが邪魔して固定出来ません。
パイプのカバーを外せば何とか装着は出来る事が分かりました。
そこで外した箇所は元に戻します。
というのも足した箇所だけ模様が変わりますから、なるべく目立たない位置が良い。
ただこの位置は作業が厄介になります。やはりブレスの中央が一番作業は容易。
さて今度はバネ棒で留めた反対側のピン、これが厄介になります。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
パッキンを装着します。このパッキンはゴムでは無くプラスチック・パッキン。
さてコマの反対側を繋ぐだけですが、これが厄介。
こちら元からのバネ棒では奥行きが邪魔になる。装飾のパイプを外して装着という訳にもいかず。仕方がなく手持ちの細いバネ棒に替えてみますが、今度は長さの制限が。
コマの形状を変えてバックルの用にのバネ棒で何とか送済着完了。
見栄えが少し悪いですが使用する分には問題はありません。
Cリングピンで留めたかったですが、Cリングピンのストッパーが入らず。
諦め掛けましたがバネ棒で対応が出来て一安心。
同梱頂いたコマのパーツは殆ど外しました。
これは自分でももう一度同じ事をやれと言われても出来るかどうか?(^_^;)
電池交換メンテナンス&コマ足し完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。