AGATHA Dualtime電池交換メンテナンス

2018.9.8お預かりのAGATHA Dualtime電池交換メンテナンスです。正常動作と言う事ですが合っているのは上側の時計だけ。海外時間に合わせているだけか?秒針が無いタイプは遅れているのか止まっているのかが分からない。

デュアル・ウォッチですから竜頭は2つ。つまりは中に「時計が2つ」入っております。

遊び革の状態もチェックします。

裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。

革ベルトを外します。

これがムーブメントですが、このムーブはあまり丈夫では無いのでムーブメント取り出しにはリスクがあります。

電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。問題なく動きますが下側の時計が遅れ気味。

パッキンが細いですね・・・簡単に切れそうで扱いは慎重になります。

下側をもう一度、合わせて様子を見ます。出来れば電池交換のみにしたかったですが。
ご依頼内容に「ガラスの曇り」という症状が書いてあり。
それは湿気が入っている証拠ですから「乾燥・防水」の必要があります。

ケースの内側もチェックして。

竜頭パイプも、チェックします。

竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。

さて洗浄は完了ですが、想像通り洗浄で接着剤がふやけて目立ちます。
こうなると、裏側から指で押せば簡単に外れます。接着剤が硬化して隙間から水滴が付いただけで湿気が侵入した結果のガラスの曇りです。

ガラスとケース側の接着剤を除去していきます。

これで洗浄の準備OK。

ケースの洗浄は終わってツヤが出たところで、ガラスの接着ですが乾くのに24時間掛かります。その分納期が延びます。このガラス接着剤が無い状態でケースに乗せると、カタカタ動きますから接触面の精度は良く有りません。よって接着剤を分厚く塗って対応するしかありません。

接着が終わったケースの文字盤&ムーブを戻しますが、この時点で下側の時計が止まっております。電池が無いですから再度、電池の入替。

全体的にツヤが出て綺麗になりました。

時間を合わせて電池交換完了です。が、数時間でまた下側の時計が遅れております。
こうなるとまた様子を見ますから、納期はドンドン増えて行きます。
かといって分解修理をする訳ではありません。分解修理しても10.000円は超えますし、電子部品が不具合を起こしたときの保証もありませんから実質「分解修理は不可」です。

注油をしたりもしましたが、やはり遅れますから下側の時計は諦めて頂くしかないでしょう。
一応、発送時には再度、電池交換して発送となります。
もしかしたら電子部品の不良で「電池が数時間で切れている」のかしれません。
到着時に時間が合っていたら、ラッキーくらいの感覚で考えて頂きましょう。

2018.9.12「到着いたしました」メールの中で「正常動作しております!」という
嬉しいお知らせがありました。禁じ手の注油ですが、分解修理が実質不可能な限り
最終手段ですが、それで正常動作してくれて嬉しい限りです。
こういう現象は、メール頂くのはごく稀ですから、「必ず注油で直る」と勘違いしないで下さい。

 

「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。

BRANDJAPANCASIOG-SHOCKその他不動修理受付不可