Audeimars Piguet Royal Oak 電池交換メンテナンス
2017.7.7お預かりのAudeimars Piguet Royal Oak 電池交換メンテナンスです。
この辺りにドットの汚れが見えますが、正面から見れば消えます。
文字盤のシミのようです。
重厚なステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
ブレスを開くにはベルト調整の要領でコマを外します。このクラスの腕時計は割りピンと言う事は無く。ネジピンですが固くて外れません。
電池交換の度に、何処か外している箇所がありますからネジが回る位置を探します。
裏蓋は8本ネジで留まっていて裏蓋記載。
裏蓋側からとベゼルネジは一対になっており。16本のネジを外します。
これでK18のベゼルが外れますが、乗せてあるのみ。
次にガラスを外します。最近に開けたのかベゼルもガラスも簡単に外れます。
本来は黒いゴムパッキンにへばりついて、結構力が要るものですが。
ガラスに段差があるのが分かりますか。この段差にベゼルが被さって
黒いゴムパッキンにガラスを押し当てる構造です。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これがゴムパッキンですが太く厚みがあります。この穴にネジが貫通して留める構造。
凹んだ部分が竜頭位置になります。
パッキンを外して竜頭を抜けば「文字盤&ムーブ」は乗っているのみ。
このまま裏返せばポロリと落ちます。
これがムーブメントで。
電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。
一度、組んでしまうとこの状態にする作業が厄介で神経を使おりますから
この段階で動作確認が出来ないと大変。ところが2分ほど動いて止まっております。
繊細な時計ですがホコリ一つ噛めば、組み立てがスムーズでは無くなりますから
ケースもブレスも洗浄します。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
さて電池交換では不動ですから、強制運針器に掛けますが10分ほど運針して引っかかるように止まります。この状態では電池交換のみでは不可で「要・分解修理」となるでしょう。
このクラスの時計を分解修理したらメーカーでは10万円近くになります。
その代わり、この重厚なパッキン・ネジは全て交換するでしょう。
こちらではパッキンさえ特殊で入手は不可ですから、交換出来るパーツは電池のみ。
さて電池交換で動かないでは困ります。強制運針器に掛けても動かない。
歯車が噛んだような感じですから、干渉を解消させます。
油切れ症状がきついと、遅れるかの不具合が出ますが。強制運針器にかけた状態ではスムーズに回るようになり、翌日も時間は問題無く合っておりますからお渡しになります。
パッキンを戻して金色のガラスのガイドリングを乗せます。
ガラスも洗浄。
このガラス段差がありますが下側は薄くなっており、ここに金属のベゼルが乗りますから
ホコリが噛んだままネジで締め付けると割れます。よって洗浄は必須です。
ネジも洗浄して綺麗になりました。
ベゼルを乗せてパッキンとの穴の位置を確認してピンセットを差し込み馴染ませます。
少しベゼルが浮いた感じですからネジを締めて押さえ付けていきます。
丁度、土日を挟んだので様子見でしたが、遅れることもなく。
時間は合っておりましたので、電池交換メンテナンス完了です。
構造から普通の時計の電池交換より何倍も神経を使おります。
これ一つの電池交換が終わればドッと疲れが。
何事も起こらなかったから良いですが、事が起こっても部品の調達は不可です。
知り合いだから受けましたが、この時計はメーカーへ出される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。