H.Stern 電池交換/ネジ固着

2021.5.11お預かりのH.Stern 電池交換/ネジ固着外しです。

2本届きましたので、ここで2本のご紹介。まずは異常が無いレディースから。

竜頭の動きをチェックして。

裏蓋は4本ネジで留まっていて裏蓋記載。

裏蓋の裏側もチェックします。

電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。

時間を合わせて電池交換完了です。

さて問題のメンズ。何が問題かと言えばカットガラスに「ヒビが入って」おります。この裏蓋側にネジが位置します。そのネジは固着状態。つまり押さえ付けないと回せませんが、押さえ付けるとヒビが入っているガラスが割れます。

竜頭の動きをチェックして。

ステンレス無垢バンドにブレスバックル。

裏蓋は4本ネジで留まっていて裏蓋記載。

下側の2本が固着状態です。兎に角は潤滑油を浸透させて一日、置きます。

おそらくは裏蓋の固着ネジを回そうと押さえ付けて割れたものと思われます。これは誰が作業しても同じ。割れないコツなど存在しません。一番は修理センターへ出して「ネジ抜き&ねじ切り」に外注するのがベストですが今回は予算が無いと言う事で、納期未定でお預かりし日々、コツコツ作業でいきます。

ピンセットで指したネジの裏側が割れておりますから、押さえ付けずに回す必要があります。それは不可能ですから「欠け落ちる」事を覚悟で作業します。2週間、毎日少しずつ回してみます。何度か注油し直しネジに振動を掛けて、少しずつ潤滑油が浸透する事に期待しか方法がありません。ところが14日間、毎日同じ事をしてもビクともしない。これ以上は継続しても無意味でしょう。手荒にいくしかありません。

ネジの頭だけドリルで削り飛ばします。

それにしても押さえ付けますので「欠けて」いないか?チェックして。

ネジ2本の頭を飛ばして開きました。裏蓋中央が光っており潤滑油がここまで浸透してしまった?それはマズイ!と思いましたが何か接着剤か塗料の様です。潤滑油はパッキンで留まっておりました。裏蓋に固着している「スペーサー」と「パッキン」ですが吸い付いたように外れません。

これは油で吸い付いたようです。

これがムーブメントですが、ムーブメントには潤滑油が及んでおらず一安心。またムーブメントは綺麗な状態。

ケースの汚れを拭き取り電池格納部をチェックします。電池を入れて動作確認。動作確認出来なければ先へ進む意味が無いですから。

竜頭の裏側の汚れをチェックして。

竜頭パイプも、チェックします。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。

ネジが2本残っておりますが、このままにします。抜くとなるとケース(ガラス)を保持する必要性があり「欠けた箇所に負担が掛かります」。

ネジの頭も裏蓋と固着しておりましたが。ねじ切り部分もセラミックの中で固着状態。

触らない方が無難でしょう。

何度も崩落していないかチェックしながらの作業が続きます。

潤滑油でベトベトですからブレスごと洗浄しておきました。

これでも洗浄後の乾燥させた後です。

無理に黒ずみを落とす必要も無いでしょう。このまま閉めます。

ケースの内側もチェックして。

ムーブメントを戻して竜頭を装着。

パッキンが潰れて広くなっており交換します。

でなければ固着のネジと裏蓋の穴が合いません。

ネジは2本留めですから2箇所はネジが効いておらず。隙間が空いたままですからレジンで埋めて紫外線を当ててパッキンの代用。

ネジの穴も同じく。

ブレスを取付完了。

竜頭から下半分はレジン(BONDIC)加工。次の電池交換はカッターで切って裏蓋を開けます。

時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。使用に問題は無いでしょう。この程度ですから電池交換&洗浄3.100円コース以内のサービスとなります。

 

 

「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。

BRANDJAPANCASIOG-SHOCKその他不動修理受付不可