SECTOR 750 Chronograph 電池交換&プッシュボタン
2019.9.28お預かりのSECTOR 750 Chronograph 電池交換&プッシュボタン修理です。
同じ時計2本で、どちらの時計も竜頭の下のプッシュボタンが固着。修復をご依頼ですが近くで電池交換してしまったという事です。ただ作業の都合上手間は「電池交換&洗浄3.100円コース」と同じ。どころか「+プッシュボタンの脱着とサビ取り」がありますから「プッシュボタン修理のみ」とご依頼されても費用は「電池交換&洗浄3.100円コース+α」となります。
竜頭の左のプッシュボタンが押し込まれたママになっております。
ネジ込み竜頭を緩めてみますが、こちらは軽く回ります。ただサビは見られますので浸水の痕跡。
微調整位置をチェックします。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
スクリューバックを回すためにはブレスを片方、外す必要があります。
裏蓋の裏側もチェックして。こんな細いパッキンで良いのか?といった太さですが。オリジナル?
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。全体的に錆びた粉が散っておりますが、ムーブメント自体は綺麗です。
竜頭を外してみますが意外に綺麗な状態。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。文字盤に錆びた粉が散ります。
ケースのサビはありませんが、プッシュボタンから浸水して軸が錆びております。
このバネまでが錆びているようでは、対外防水機能は「0」になりますが。
この程度ならある程度は復活します。ただ新品の状態で使用してこうなった訳ですから。元からプッシュボタンの防水機能は低いでしょう。
プッシュボタンとパイプ内壁と固着しておりました。写真では簡単そうですがプッシュボタンを裏側から叩き抜く必要があり外すのに手間が掛かります。
反対側も外してみますがやはり固着一歩手前。
写真の左側のプッシュボタンまでは外しませんが、それは裏側から見てもサビが無く。プッシュストロークも軽いからです。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプも、プッシュボタンパイプも洗浄してここまでは綺麗に。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗になりました。
プッシュボタン2つとバネも洗浄して綺麗になりました。プッシュボタンを交換しても良いくらいですが入手は不可。また交換出来ても同じ防水機能ですから、もう「非防水」と思って使う方が無難でしょう。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池を入れて動作確認。パッキンはダイバー用に替えておきます。問題は元が細いので裏蓋が締まるかどうか?
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
スクリューバックを締めて裏蓋が浮くことも無くシッカリ挟まりました。
ただ裏蓋からの浸水には強くても「プッシュボタンからの毛細管現象に弱い」。
つまり手洗いで掛かる程度は問題無いが、プッシュボタンが肌に触れることで汗が毛細管現象で吸い上げられ、湿気が溜まって錆になる。その錆には更に湿気が溜まりやすい悪循環が原因でもあります。
同じ時計が同じ症状ですから、使い方でしょう。
こちらも竜頭下のプッシュボタンが押し込まれて固着したママ。
ネジ込み竜頭を緩めてみます。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
微調整位置をチェックします。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
こちらもスクリューバックを回すためにはブレスを外します。ただ割りピンでもなく、Cリングピンでも無く。棒を打ち込んである構造ですから、ラグ部は負荷が掛かりすぎで固いでしょう。固いものは戻すのも大変なので、ラグ部手前のコマで外します。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントですが綺麗な状態。
竜頭の裏側の汚れをチェックして。
竜頭パイプも、チェックしますがこちらの方が錆びている。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックしますが、プッシュボタンの部分のみ錆びております。
固着側だけでは無く、もう片方も錆びておりますので外します。
意外にサビは少なく。
プッシュボタンのパイプ(凹み)部分は錆びております。
竜頭パイプも、チェックします。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
プッシュボタンを触ると抜いて洗浄しておかないと、どうしても錆びた粉が残ります。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
プッシュボタンも洗浄して綺麗になりました。これにグリスアップして戻します。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
電池を入れて動作確認。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
こちらもパッキン交換しておきます。
3つのプッシュボタンを押して反応するか動きをチェックします。
時間を合わせて電池交換メンテナンス&プッシュボタン修理完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。