GAGA MILANO 電池交換レジン処理
2021.8.30お預かりのGAGA MILANO 電池交換レジン処理です。ガラスが曇った感じがあり竜頭・プッシュボタンからの浸水か?見た目はごつい腕時計ですから防水が効いた時計に見えますが、時計メーカーの物ではありませんから防水機能は適当です。
竜頭は3時位置ではなく12時位置です。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。ウレタン・バンドを外しますがラグ部のバネ棒自体が細すぎます。湾曲というか張力で曲がって下りますが仕方が無いでしょう。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。「MILANO」になっておりますが文字盤の記載が「Nilano」に見えたのでムーブメントの想像は付きます。
裏蓋の裏側もチェックします。このだけの口径の裏蓋からはパッキンが細すぎます。
citizen系汎用ムーブメント。ムーブメントに湿気の痕跡もなく奇麗です。
ムーブメント拡大。
電池格納部をチェクしますが異常なし。
時間を合わそうと竜頭を引いて回すとネジが外れます。
竜頭パイプをチェックしますが異常はなく。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックします。
目盛リングがある訳ではなく、そのまま洗浄しますが回転ベゼルの数字の「白い帯」、この部分が洗浄で塗装落ちしそうですが短時間だけ洗浄しました。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。写真でも分かる様に巻芯が継いであります。つまり不具合により「ムーブメント交換」された形跡です。良くこのムーブメント交換を受けた店があったと驚きです。こちらでは受ける事はありません。構造的な物を理解出来る人で無ければ必ずクレームに繋がる案件です。
この継ぎ手による装着ですが「少し短く仕上がっております」。そうなる理由があったハズですがお客様には説明しても理解出来ないでしょう。短いが故に竜頭を引いた状態になり時計が止まります。そこで仕方がなくネジを緩めて装着してあり回せば外れる訳です。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻します。少し太いパッキンが入らないか?と。交換してみますが浮いてしまって、スクリューバックのネジが食い付かない。
そこで「コーキング」、時計にコーキングという処理などなり得ませんが「レジンべた塗り」でコーキング代わりにします。竜頭は回せませんし、プッシュボタンも押せません。押したらコーキングに亀裂が入り防水機能は無くなります。
裏蓋もレジン処理して少しべたつきます。
時計のみとなり、時間がずれても時間合わせ出来ません。バイク乗りの方なのでレジン処理も振動でどこまで耐えるか分かりませんが、ご理解頂けて費用を出して頂ければ作業はしますが、間違っても「こういう事も出来ます!とお勧め出来るものではありません」。他にも辻褄合わせの処理や作業が多くなり手間も掛かりますが、お客様にとっては報われない作業なので費用を上げる訳にもいかず。直してもキッチリ直らない構造の時計ですがお客様から見たら「直っていない」と店の信用を落とすだけなので受ける所はありません。時計屋泣かせの受けたく無いご依頼であります。受けるのは信用も何ももう済んだ店ですからどうでも良いので受ける事にしましたが。普通は素性も分からない人から受ける事はありません。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。