WIRED 7T82-0AP0 クロノグラフ プッシュボタン修理&電池交換
2017.3.1お預かりのWIRED 7T82-0AP0 クロノグラフ プッシュボタン修理&電池交換です。
上側のプッシュボタンが不動という事です。
竜頭の動きをチェックして。プッシュボタンは右側が押し込まれたママです。
ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
微調整位置をチェックします。
バックルの汚れもチェックして。
裏蓋は”はめ込みタイプ”ですがこの形状は開閉が厄介。
裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
裏蓋を開けるとスペーサーが覆っております。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。湿気の侵入もなく、ましてサビの痕跡もありません。
プッシュボタンから浸水か?プッシュボタン周辺も浸水跡やサビは無く。
という事は「汚れが詰まって固着パターン」。
と、その前に電池を入れて動作確認。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。目盛リングのプッシュボタンの板があります。
これを外さないと洗浄が出来ず、プッシュボタンの修理も作業が難しい。
プッシュボタンを抜く事は問題無さそうですね。
プッシュボタンを抜いて見れば、綺麗な状態。
これが固着するほど汚れたプッシュボタンか?
もう一つも同じくらいの汚れなのに?と気がつきましたが、上の写真。バネが無い。
それでは押しても戻って来ないはず。
どういう経緯を辿ってこうなるのか。
メーカー出荷時や販売時点では、動作確認もあり。ありえないです。
目盛リングは外して。
これで丸ごとケースの洗浄と思いきや。
なんと、ガラスにプリントで数字が。
軽く洗浄程度では落ちないでしょうが、ちょっと怖い。
裏蓋を閉め洗浄レベルでの水漏れは無いかチェックします。
竜頭とプッシュボタンの穴は詰め物をして洗浄します。
ただ、この形状の裏蓋は開閉は厄介ですから、手間が掛かります。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
こちら側も、プッシュボタンのバネは合う物で装着します。
プッシュボタンも洗浄して綺麗になりました。
目盛リングを戻して、プッシュボタンを装着します。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
全体的にツヤが出て綺麗に。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になったところで。
時間を合わせて、プッシュボタンが効くかチェックして電池交換メンテナンス完了です。
純正のバネでは無いですから、少し堅いですがその方が固着しにくいでしょう。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。