SEIKO 7A28-7010 Chronograph 電池交換&プッシュボタン修理
2022.11.24お預かりのSEIKO 7A28-7010 Chronograph 電池交換&プッシュボタン修理 です。
右側のプッシュボタンが押し込まれたママです。
三つ折れバックルが丁番部分で溶接離れしており、これでは腕に付けることは出来ません。送れば「ついでに直してくれるだろ」という発想かも知れませんが、この箇所は修理不可です。よって「電池交換で動いても腕に付けられない状態での返却になりますが、作業を進めても良いですか?」と確認をしてから作業開始です。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。何度か電池交換はされてきた腕時計です。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。ちなみにこのムーブメント今や分解修理の対応は不可です。
電池格納部をチェクしますが異常は無く。先に電池を入れて動作確認してから先に進みます。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。文字盤にシミも無く良い状態の文字盤です。
ケースの内側もチェックしますが異常は無く。
目盛リングがあるので、そのまま洗浄は出来ません。
プッシュボタンを外しても目盛リングは外れない構造ですからガラスを外すしかありません。
先にプッシュボタンを外しますがサビで固着しており大変でした。
プッシュボタンのバネが縮められたママ固着しており折れていないか心配です。無理に引き出すより洗浄して自然に弾力が蘇ることに期待します。
プッシュボタンのパイプですが3つも同じ様な感じでした。
2つ目のプッシュボタンも同じ状態。一つは正常動作しますが状態は変わらないでしょうから外してプッシュボタンは3つとも洗浄します。
ガラスを外せば目盛リングも一緒に出て来ました。
この白いパッキンはプラスチックですが、これが厄介。仮に変形や膨張などがあればもう戻せません。パッキン無しでは固定も出来ず。かといって注文するにも在庫は何処にも無い。つまり「ガラスを外す=一か八かの行為」となります。
パッキンを外せばサビが凄く、削り落としてブラッシング、そして洗浄します。
ケース側ですが同じ様な状態なので同じ様な作業を行います。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
プッシュボタンの穴も綺麗になりました。
あとはグリスアップするだけですがプッシュボタンに異常が無いか心配です。
洗浄でバネは回復しました。ただパッキンは磨り減っておりますがこれはもう仕方が無い。
ガラスも洗浄して綺麗になりました。
パッキンの変形も無いようですから一安心。
無事に装着できて胸を撫で下ろします。この作業が一番のヒヤヒヤする一瞬です。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
電池を入れて動作確認。プッシュボタンをサクサク動きますが反応がイマイチ鈍い。これは数回操作する事で馴染んで行くでしょう。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になったところで。
ゼロ位置合わせを行って。時間を合わせて電池交換メンテナンス&プッシュボタン修理も完了です。バックルはご自身で調達されるそうなので受けましたが。こちらで探すとなるとオークション・ウォッチしたり大変です。「溶接修理」という手段もありますがそれだけで16.000円ほど度と、納期が1ヶ月掛かります。納期が長くなるお預かりはしたくないのが本音です。2022.12から昼間の仕事に就労しますから作業する時間は今までの半分以下になりますので外注で1ヶ月掛かれば納期は2ヶ月になるでしょう。今は時計は「本業ではありません」から手間は掛けたくない。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。