SEIKO Asterisk9544-6000電池交換メンテナンス
2021.9.2お預かりのSEIKO Asterisk9544-6000電池交換メンテナンスですが「長短針がズレております」。長針が下がってインデックスに干渉したか?、衝撃があり歯車が噛んでいるのか、飛んで滑っているのか?
2018年にもお預かりの腕時計。
竜頭の動きをチェックして。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
バックルの噛み合わせが甘いというご依頼ですから修整して。
バネ棒は洗浄します。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックします。
裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
電池格納部をチェクしますが異常は無く。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。(撮影忘れ(^_^;)
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
こうして見たら分かりやすいですが短針は6時、長針は14分です。
ケースの内側もチェックします。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたが違和感が。
これは「ガラス外れの前兆」ですね。
裏側から指で押せば簡単に外れます。
再度、洗浄してガラスの接着完了。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になったところで。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス完了です。
ところが翌日、止まって下ります。針が干渉している訳でも無く。竜頭を引き直せば動き出します。その後数日、様子見ですが5時間くらい動いて止まります。歯車に不具合がありそうですが「要・分解修理」となりますので1万円は軽く超えてきます。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。