Grandseiko 8J56-8020 電池交換メンテナンス
2019.11.7お預かりのGrandseiko 8J56-8020 電池交換メンテナンスです。
竜頭の動きをチェックして。
ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
「×」おコマを2コマ取り外しでご依頼です。
先に外します。
割りピンの感じからかなりの汚れがブレスに溜まっております。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
8J56-8020がキャリバー。
ラグ部の汚れや弓環の汚れもチェックして。
裏蓋の裏側もチェックします。
裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。パッキンがへたっておりますが、まだ使える状態でもあります。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックします。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
全体的にツヤが出て綺麗になった・・・おや??パッキンの一部が切れている。これはスクリューバックの回転でパッキンが溝からはみ出していた証拠。やはり伸びていた様ですから交換します。
裏蓋を開けるとやはり切れております。
本来の物よりも太いTAG HEUERに使っている物しか持ち合わせが無く。裏蓋が締まってパッキンの厚みで裏蓋が浮いていなければ問題は無し。
ベルトごと洗浄で弓環の汚れも綺麗になったところで。
バックルの汚れもチェックします。
さて洗浄によって割りピンが出て来ており、全体的に工具で突いてみると効いていないことが分かります。
反対側も同じくですから、割りピンを5本交換します。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス&割りピン・パッキン交換完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。