Grand Quartz 9943-8030 電池交換メンテナンス移植
2025.3.3お預かりのGrand Quartz 9943-8030 電池交換メンテナンス移植です。
「不動品」を同梱するので部品の良いとこ取りもご依頼です。この文字盤は移植した方が見栄えが違いますが、そうなると針も外して文字盤文字盤外すので手間が倍以上掛かります。
文字盤の焼けた方ですがラグ部も綺麗です。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。ケースもこちらの方が綺麗です。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。ムーブメントも綺麗です。
竜頭の裏側の汚れをチェックして。
竜頭パイプも、チェックします。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
と、その前に!不動品の具合は?電池蓋パッキンは硬化して変形しておりもう戻せません。
裏蓋を開けるとムーブメントは綺麗ですがケースのサビが凄い。
サビでゴムのパッキンが固着しておりドライバーで削り落とします。
ケース側にもパッキンは固着。ただ意外なのはムーブメントは非常に奇麗?動くのでは?
パッキンは交換するしか無いでしょう。
こちらは「文字盤焼け」の裏蓋ですが電池蓋パッキンは原型を留めております。ただ硬化している事に変わりは無く。外せばバラバラになるでしょうから”触らぬ神に”。
この電池蓋パッキンはもう手持ちがありません。
”不動品”のムーブメントですが電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。問題なく動き出しました。
竜頭の裏側の汚れをチェックして。
竜頭パイプも、チェックします。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。「文字盤&ムーブ」ごと移植出来れば単なる「電池交換&洗浄3.500円コース」が2個の扱いです。
ケースの内側もチェックしますが異常は無く。
不動品の方を稼働させて二晩、様子を見ます。
一応、二つとも洗浄して綺麗になりました。あとは綺麗なケースに綺麗な文字盤&ムーブを移植します。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
金属のスペーサーも洗浄して綺麗になりました。
綺麗な方のケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。ケースのパッキンは2事も交換してシリコン塗布をしてケースに戻します。(もちろん既製品パッキンですが)
電池を入れて動作確認。
問題なく動き出しましたので。
洗浄して綺麗になりましたブレスを取り付けます。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
状態が悪い方のケースですが洗浄すればソコソコ綺麗に。ただ腐食による表面の凸凹は致し方が無い。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
全体的にツヤが出て綺麗になりましたが「電池蓋パッキンは無し」です。
こちら元から稼働品ですから電池を入れて稼働させておきます。
電池交換メンテナンス2本の完了です。”不動品”と言う事で購入したので動かないと思っておりました。という事ですが良心的な出品者であったかと。電池を入れたら動くけどメンテナンスして居ないので「不動品」とした方が無難という考えでしょう。それだけにこの2・3日は正常動作しておりますが、先は分からないです。
不具合が出たその時は「竜頭操作で動き出さないか?」。
最悪は文字盤焼けの「文字盤&ムーブ」ごと移植し直せば問題無いでしょう。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。