KING QURATZ 5856-7030 電池交換メンテナンス
2019.9.24お預かりのKING QURATZ 5856-7030 電池交換メンテナンスです。
オールド・クォーツは「電池交換&洗浄3.100円コース」内では収まらない場合が多いです。
竜頭の動きをチェックして。
長期保存の典型的症状ですが、下手に触るとメッキが飛びますし。触らないと落ちる汚れの固着・サビも綺麗になりません。もったいぶってる訳ではない「出来れば関わりたく無いオールド・クォーツ」。
それだけ「クレームが多いのがオールド・クォーツ」です。
ブレスの汚れもチェックします。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
これがキャリバーです。
電池蓋は軽く開きます。パッキンの弾力もあり再利用可能。再利用出来無ければ「パッキン除去」の状態で返却することになります。
バネ棒の汚れやサビもチェックします。この程度なら洗浄で蘇るでしょう。
それだけ丈夫なのが、パーツといえどもこの頃の製品。
ラグ部はサビとカビで大変ですが洗浄で綺麗になるでしょう。
裏蓋を開けると「ムーブメント&文字盤」が一緒について出て来ます。
パッキンがケース側に残っております。
パッキンを外して劣化具合をチェックしますが異常は無し。異常なしは大袈裟ですが再利用可能な弾力は残っております。ゴム製品とはゆえ当時のパーツのコストの掛け方が凄い。
今で言えば50とか60万クラスの時計ですから当然とも思いますが、今の50万円くらいのモデルではココまでの材質でパッキンは作らないでしょう。
竜頭パイプも、チェックします。
ベゼル部分の汚れと硬化。この状態で長期間の保存でメッキが崩壊していない事が凄いのですが
現実はクレームの対象症状になるので、時計店は関わりたく無いジャンル。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これがムーブメントで。
ムーブメントに湿気の痕跡やサビは見られませんが、油切れ症状は避けれない。
裏蓋の裏側もチェックして。内側は綺麗に守られております。
この程度が洗浄で綺麗になりますが、今の時計なら腐食して使い物にならないでしょう。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。ただメッキが飛んだ部分は下地が剥き出しです。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
綺麗になった裏蓋にムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
電池蓋も洗浄。
電池を入れて動作確認。パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ベゼル部分の酸化ですが洗浄だけでは落ちず、クロスで磨いて再洗浄で綺麗になりました。
ラグ部は汚れが溜まったママ湿気も溜まっていたのでメッキが崩壊しております。
その状態でもステンレスの質が良いのか、裏蓋固定レバーは錆びてもおらず凄いの一言。
ブレスも洗浄して綺麗になりました。メッキの剥がれもありません。もっとも純正品ではありませんが既製品でも上質の時代ですか。
時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。