電池交換メンテナンス SEIKO CHARIOT 6431-5050
2016.5.8お預かりのSEIKO CHARIOT 6431-5050電池交換メンテナンスです。
修理でのご依頼で「可能な限り修理の方向で、予算22.000円」と言うことすが、
そこまでは掛からないと思おります。電池交換メンテナンスで動けば3.100円です。
ブレスは伸縮バンドに交換されております。
竜頭が引き出されたママですが、動作しているのか?
竜頭を押し込もうにも押し込む感覚は無く。よく見ると文字盤に隙間が。
押し込まれた状態のママ文字盤ごと動きましたので時計は動いていない。
これはスペーサーが割れているのか?一部が破損しているのか?
時計を振ったら文字盤が動くくらいですから、スペーサーが装着されておりません。
ラグ部のサビは洗浄で綺麗になるでしょう。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋パッキンも装着されておりません。
やはりスペーサーも有りません。
電池格納部にはグレーのパッキンが千切れた一部が残っております。
巻芯を摘まんで右に捻るとムーブメントが右へ。
左に捻ると左へ寄りますから、このまま使えばムーブメント固定されません。
かといって「スペーサーという代用部品は存在しません」。
まして古い時計ですから。
スペーサーの代わりに何か代用品で”詰め物”をするしかありません。
綿棒の軸を入れて試してみます。固定は出来そうですね・・。
その前に動くのか電池を入れて動作確認。問題無く動き出します。
「都合で分解修理」というご依頼でしたから、動かない場合は修理センターさんに託せますが電池交換で動くので、こちらで何とかするしかありません。
修理センターさんにと言っても。スペーサーの装着のみなの依頼は失礼過ぎる。
かといって、部品は無く似たものを改造とかになるでしょう。
手間が掛かって相応の費用が発生してもお客様が満足できない仕上がりにしかなりません。
兎に角、電池交換で動くの洗浄作業を進めます。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
電池を入れて動作確認。同じように綿棒の軸で試してみますが裏蓋が浮きますから
この案は却下。
裏蓋パッキンは既製品で合う物を装着。
裏蓋が閉まるかチェックして。
ブレスの緑色も洗浄して綺麗になりました。
ブレスのコマの中も洗浄して綺麗に。
手間は掛けれず・・・と。考えていたら机の上に「輪ゴム」があり。試してみます。意外に収まりが良い。裏蓋も閉まるし左右の動きに対しては隙間があります。
しかし、ゴムですから滑りに対して摩擦が大きい。
竜頭も引けますから使えるでしょう。
問題はカタカタ音がするようではいけません。音はしないものの竜頭を引くと若干隙間が。
でも押し込むと元に戻りますから、このまま使うのが経済的です。
電池交換&洗浄3.100円コース+パッキン装着となりました。
今回「分解修理でご依頼」予算もありましたので分解修理として
修理センターさんに送って分解修理ついでのスペーサー装着。
それでもお客様は納得されたと思おります。ただ電池交換で動きました。
不動なら分解修理も仕方が無いでしょう。
ただ分解修理となっても古い時計(オールド・タイプ)ですから、
その直後などに電子部品に不具合が出れば
分解修理に掛けた費用は水の泡。
よって古い時計の修理は無闇に分解修理には出しません。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。