SEIKO DOLCE 8F33-0030 電池交換メンテナンス
2017.8.12お預かりのSEIKO DOLCE 8F33-0030 電池交換です。
3本届いたうちの1本。
竜頭の動きをチェックしますが不動。最初ねじ込み竜頭だったか?と
思いましたが違うようです。
チタン無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
微調整位置をチェックします。
バックルの汚れもチェックします。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
裏蓋を開けるとスペーサーが電池を覆っています。
これがムーブメントですが綺麗な状態。
電池を止める爪3つが緩んでおり慣れない人が触ったのでしょう。
電池を入れて動作確認ですが、カレンダーの数字が回転しだして止まりません。
これは竜頭も動かないし返却するか迷いますが、一弦さんでも無く作業を進めてみます。
外観は非常に綺麗な時計ですが竜頭は錆びて固着しております。
これは5-56を染みこませて強引に回して外すしか方法はありませんが
最悪は巻芯が折れます。
巻芯を内側から見ればサビで竜頭パイプの穴が詰まった感じです。
オシドリも中に入り込んだまま出て来ません。兎に角は5-56を染みこませて数時間はおきます。
6時間掛かって少しずつ回して、引き出すことに成功。
錆びが接着剤の役目をしてこびりついておりました。
巻芯のパッキンはやせ細っておりますが、時計が使えないよりはマシでしょう。
このまま使うしかありまえんから洗浄します。
竜頭パイプもこの状態。サビを落とす必要がありますがメッキが剥がれ落ちる可能性も。
兎に角は「洗浄するしかないでしょう」
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
竜頭の穴もこびりついたサビを削り落とします。
何度か洗浄してもこれが限界。
竜頭も奥の方は錆びた固着物がこびりついたママ。洗浄では効果が無い様ですから
竜頭パイプともに、サビをそぎ落とします。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭パイプのメッキが剥がれる事も無く。そぎ落としてみて正解でした。
竜頭も奥からシルバーの部分が見えてきました。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
竜頭をグリスアップして戻します。リセットを掛ければカレンダーがズレたまま止まって居た状態もリセット。
カレンダー情報を入力して電池交換メンテナンス完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。