Seamasterのブレス外れ(コマのピン)

2015.10月にお預かりのシーマスター

18日にメールで「ピンが抜けましたが送らないとダメですか?」という
お問い合わせです。
回答は:「自分でも出来る」ですが。
折角タイピングしたので、ブログでも紹介です。

写真にはピンが2本写っておりますが「Cリングピン」と「Cリングパイプ」です。
本来はピンがパイプの中にキツく入って摩擦で抜けない構造です。

これが抜けるという事は、パイプとピンが摩耗して摩擦が減った状態です。
摩擦が無いと簡単に抜けますが抜けなかった理由は
使用によってホコリや皮脂が入り込み接着剤の役目になっていた物が
洗浄で汚れが流れ出た事で摩擦が無くなった状態です。
(ある意味、洗浄効果の表れでもありますが)
正しい対処法は「専用ピンに交換」です。

ただ交換するにも純正パーツがありません。
新品の「余りコマ」でもあれば、そこからピンを取り出し交換する事も可能です。

問題は無い場合。「要は差し込まれたピンが抜けなければOK」ですから。
粘度のある接着剤をピンに塗って、コマに(パイプに)打ち込めば問題無いでしょう。
パイプに塗っては、パイプとコマの内壁が固着しますからダメです。
ピンに薄く塗りましょう。また瞬間接着剤等の堅く固定されるものは
今後の何かの作業で、抜くときに困ります。

作業としては
1. 「コマの凸部分にパイプを差し込む」
2.「コマとコマを合わせる」
3.「ピンに接着剤を薄く塗り」
4.「ピンを差し込み、固まるまで使用しない」

※:パイプの中央をペンチ等で潰して、ピンを叩き込む。
そういう方法もありますが摩耗でパイプの壁が薄くなっている訳で。
凹ませて締まりを強くしても、簡単に抜けるかもしれません。

こういう事からも「余りコマの保管」は重要になってきます。