ブレスの汚れ(時計バンド)(2015.3.14)

ブレスの汚れといっても時計バンドの事で。
アクセサリーではありません。

普通、時計のバンドって洗浄する機会というものがありません。
ちょうどクルマで言えば、タイヤのホイールの裏側みたいな感じで。
やろうと思えば出来ますが、工程を考えれば実行する人は少ないでしょう。

「ブレスの洗浄」は電池交換メンテナンスでご依頼いただければ
普通のサービスとして行います。

写真はTAG HEUERのブレスですが一見は、洗浄もされており綺麗なもの。

ラグ部の汚れも殆ど無く、近々で外して洗浄されている事が分かります。
これを洗浄器で洗浄しすると全体にツヤが出ます。
(洗剤は特殊なもので個人で購入するには高いですが強力)
ツヤが出て綺麗な状態のブレスを白いウェスに乗せて。

コンプレッサーの強力なエアー(ゴルフ場のシューズの芝を飛ばすあれ)を
吹き付けると写真の様に黒い汚れが飛び散ります。

これはコマの穴の中を割りピンが貫通しておりますがその隙間に
入り込んだ汚れです。
普通に中性洗剤を入れた超音波洗浄器で洗ったくらいでは落ちません。

こうなると同じ洗浄でも綺麗な水の槽(洗剤を入れた)。
わたし3つの槽を用意して何度か洗い直します。
洗ったあとは、真水の層で黒い汁が出て来ないことを確認してから

再度、エアーを噴くとまたグレーの汚れが飛び散ります。
10年以上使用されているブレスは普通、5・6回は洗浄し直します。

汚れ仕事の方のブレスは10回なんて事はザラでして、ウンザリするくらい。
「もうこのくらいで、いいっか!」と、取り付けて発送すると。

汗をかいたり、雨に濡れると腕に黒い汚れが付きます。
「キチッと洗浄がされておりません」とお叱り受ける事も多々あります。
そういう方は、二度とご依頼されて来ないでしょう。

でも、こうなるとブレスの洗浄だけで3.000円頂いても価値があるくらい
手間が掛かっております。(写真のブレスなど簡単な方でしたが)
実際、汚れが落ちるまで(エアーで噴いても汚れが出て来ないレベル)。
10〜15回の洗浄し直しなんてことは良く有ります。
それだけで30分くらい、係っているわけでして。
真冬でも洗浄器の中はお湯になっているくらい洗います。
(エアーで噴かなければ、2回くらいで終わる作業ですが)

そこまで洗うとメッキが剥がれ落ちる事も。
塗装されたブレスも同じで、何処で作業を終了とするか判断が難しい。

また、洗浄で汚れが洗い落とされると。
差し込まれている「割りピン」(Cリングピン)が抜け落ちる事もあります。
実際「綺麗になっておりますがピンが抜けました、チェックされておりますか?」
というお叱りを受けた事も何度か。

摩耗したピンが汚れやサビによる摩擦で、辛うじて留まって場合です。

そこまで洗浄するには洗浄液もふんだんに使います。
高いからと薄めて使っていては綺麗に落ちません。