電池交換の近況

私の店の話しで全国的にはどうかわかりませんが。
最近、電池交換で来られるお客様で「ここでは受けて頂けます?」という
言葉が良く聞かれるようになりました。

時計店だけに限らずホームセンター等も徹して「電池交換、可能な物を絞っております」。
つまり「なるべく受けないスタンス」で向き合っているところが増えているという事でしょう。
最近はスマホの時代で、腕時計を使う人が少ない。
よって電池交換までする人も少ないですが。
そこへ「電池交換が断わられる」と、なれば余計に腕時計を使う事を毛嫌いする
方が増えるのも当然でしょう。

売れるのは「ソーラー」「電波」「自動巻」ですから時代の流れもあります。
お店側も少し昔までは、電池交換だけでも売上は10万円くらいはあったでしょう。
それが最近は5万円も無い時代ですから、もう諦めて捨てた売上になっております。

うっかり受けて「数万円の弁償」となれば「電池交換は全てお断り」の方がマシ。
えらい時代になったものです。

時計を買う人が減った。使う人が減った。
「自動巻は不具合が出たときに高く付く。」
「電波時計は誤受信で狂った時が大変」
「ソーラーは充電電池の交換時期がくれば高く付く」

そこで昔、高価で買ったあのクォーツをまた使おうか?と
電池交換に持ち込めば、受けてくれるお店が無い。
時計店からすれば、そういう事情で持ち込まれるの。
電池交換の依頼がある時計は20年を越えた物が殆ど。
つまりは「電池交換後に、不具合が出る可能性が高い=クレームの原因」
困って居られると、受けたが為にクレームになるようでは益々、断る時計が増える。

もう悪循環の流れになっており、電池交換は捨てるお店は増えていくでしょう。

これから時計メーカーの時計を買われる方は「時計はソーラーを買って10年で買換え」。
それを頭に入れておけば、無駄に高い物も買わなくて済むでしょう。
電波時計も時計屋がさじを投げる時が来なければ良いですが。