腕時計メンテナンスの修理工具/キズミ(ルーペ)

腕時計メンテナンスの修理工具/キズミについて解説です。時計屋の親父が目に付けているルーペの事を”キズミ”と呼びます。

こちら側を瞼に挟んで使います。何故目に付けるのかですが普通のルーペでは片手が塞がります。それでは片手に腕時計、片手にピンセットで作業が出来ません。

では、この様な固定出来るスタンド式のルーペなら両手が空くのではと。しかしそれではレンズを挟んで顔の位置も腕時計の位置もどちらか動けばピントが合いません。よって目に付ける訳です。電池交換でもネジを外さないタイプなら、こちらの方が便利かもしれませんね。
これが肉眼で見る腕時計の大きさですが、これをキズミで見ると。

このくらいの感覚になります。

腕時計のネジを外す場合でも肉眼ではこのくらいですが。キズミで見るとドライバーの先がネジからずれている事まで見えます。またネジを絞める場合に、この様にゆがんでいても。

正面から見ればまっすぐに見えます。しかしキズミで見ればネジの頭が遠近感で傾いているのが分かるから便利な訳です。

キズミでもこういった形状の物もあります。これは何かといえば 。このアームの先端にクリップが付いています。よってこの部分で眉毛の辺り。皮膚を摘んで眼球の前にぶら下げて使用します。???。嘘ですよ。(;^_^Aこの部分でメガネのフレームを挟みます。

するとこうなりますから、メガネを掛けた方でも楽々。またキズミを瞼に挟むことが出来ない方にとっても便利かもしれませんね。それに、こうやって跳ね上げる事も出来ます。
問題はこの様な”天地の狭いフレーム”では、はみ出してしまいますね(;^_^A

度数は「3倍〜8倍」までくらありますが、慣れない人は4倍で充分です。5倍以上になると見える範囲もピントが合う距離も短くなって使いづらくなります。

もうひとつキズミを目に付ける事が出来ない方には。

こういったキズミもあります。今はもう売っていないかも?これなら頭からかぶるように付けますから簡単。針金で縛ってあるのみの、構造も簡単。器用な方なら自分でも作ることが出来そうですね。

余談ですが、このキズミとピンセットを使い慣れると”トゲが刺さった時”は便利ですよ。毛抜きでトゲを抜くなんて馬鹿らしくてやってられません。

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