記念の時計

2004年11月3日

昨日、閉店前におばちゃんが怒った顔で友達連れて入ってきます。

「ちょとおにいいさん!私の顔覚えてるよね!」(覚えてません)

「いやぁ〜記憶には無いのですが・・・どういったご用件で?」

「覚えて無いって、どういうこと!」(って言われてもね〜)

「どう言う事って言われましても、困るのですがご用件は ・・・?」

「去年の今頃に、ここで電池交換したでしょう。 覚えてないの!」横から友達が。

「私も一緒にいたでしょう!?証人よ」(証人って言われても・・・何なんだ?)

「さぁ、覚えてはいないですが・・・」

「電池交換したお客の顔も覚えてないの!」

「はぁ〜毎日10人くらいは来られますので、ましてや1年前となると・・」

「あっそう!忙しいんやね。でもそれで誤魔化されへんよ、早、止まってるやん!」

「それは申し訳ござおりません。ちょっと調べてみましょう」

「調べるってどう言う事?まだ1年よ。」って時計カウンターに置きます。

「これでわかるでしょう?」(10年くらい前に定価28.000の時計)

「いや〜、時計を見ただけでは分からないですよ、ちょっと調べますね」って。

「あの〜お客さま、竜頭って言うのですが、ここの「つまみ」はどうされました?」

「つまみって、あなた何処へやったの?まさか止まってるのを、そのせいにする積もりじゃないでしょうね!」

「あの〜、時計は今お客様が出されたところで私は触っておりませんから。それに正しく止まっているのは、そのつまみが無いせいなのですが」(おばちゃんの顔がひるみます)

「いや〜何それ!そのせい?何処へやったんやろ?」と。いきなりジャンパーを脱いで袖をめくって探し出します。あげくの果てには友達に手伝わせて鞄の中も探し出します。
(探しても出てくる訳がないのに(;^_^A)

「ちょっと〜、あれ記念品の大事な時計よ!無いでは済まないの!」と必死!

こちらも見るに見かねて。
「あの〜大丈夫ですよ。無くても取り寄せて付ける事は出来ますから」

「取り寄せるってね。お金取るんでしょう」

「それは勿論です。¥2.000くらいですがね」

「¥2.000って、まだ電池換えて1年よ!」(関係無いちゅう〜の)

「ただ、これ部品だけと言う訳には行かないのです。必然的に分解掃除も必要になりますので¥10.000くらい必要ですよ」って言うと何をどう考えたのか。

「¥10.000ってね、記念の時計やからね。それにその先に特注で誕生石のサファイア入れて貰ってたのよ、極上の!」

「極上ですか。だったら、修理は10万くらい掛かりますが宜しいでしょうか?」(さらりと言ってやった(^_-)-☆

この辺りからこちらは完全に冷静モード)ニコッ(*^^)
お連れのお友達は何時の間にやら近くに居ません。(;^_^A
修理などする気の無いことは経験から察しますので。

「奥さん。ここはおひとつ奮発して頂いて買い換えを考えてくださいよ(*^^)」

「そうやね。ほな¥1.000位の時計ないの?」(まだ興奮モードは続きます)

「いやぁ〜さすがに¥1.000では無いですわ。スーパーとかに行けばありますが・・」

「 そんなん、おもちゃやん!時計屋さんのちゃんとした¥1.000のは無いの?」
(無理!まだ錯乱状態が続いてますね(;^_^A)

「ほな、見やすい数字の時計見せてよ!」

「では、これなどは如何でしょうか?オール数字で見やすくて¥12.000です」

「大きいやん。もっと小さぁ〜〜いのが良いのよ」

「でも小さぁ〜〜いのは見にくいですよ」

「では、これなどは?」あれやこれや5分くらい、何を勧めても反論。

ここで、いつの間にやらお友達が横に来て。
「あんた、もうそれで良いやんか!それにし!似合ってる似合ってる!」

「これ¥8.600よ!高過ぎるやん。これ¥1.000にしとき!」
(☆。☆)無理!

横でお友達は(;¬_¬)でもまだ抵抗して来ます。
「これでも良いけどバンドが気に入らんわ」

「それでは別の物に交換しましょうか?」

「しましょうか?ってお金取るんやろ」

「それは勿論ですが、何でしたら今お使いのベルト高級品ですから、それを使ってこの新品に取り付けましょうか?」(エルミ、といってイタリー製で銀色で¥6.000くらい。金色なら¥10.000くらい)これ!

「そうやね、それが良いわ!このバンド¥30.000もしたからね」(嘘つけ!)

やっと決めて頂いてベルトも取り付けて。

「有り難うございました。では¥8.600,税込み。取り付け料もサービスです」
支払いも済んで、やっとおばちゃんも冷静になって来ました。

「ありがと!お世話さまでした。」

「どう致しまして。また是非、寄ってくださいね!」 とおばちゃんも(*^^)ニッコリして店を出て行きます。その後ろ姿を見てボクは、大変な事に気が付きます。

記念品の時計が机の上に!

「奥さぁ〜〜〜ん!!時計、時計!記念品の〜〜〜!」と奥さん、向こうから。

 

 

 

「もう動かない物なんか要らんわ!捨てといて!」


要らないらしい・・・・・です。記念の時計・・・
¬_¬)・・・・・・・・・・・

そして、その翌日・・・
「昨日 買った時計ね、やっぱりあれ要らんわ」と返品に・・・
レシートも無く・・・

こちらとしては・・

 

あんたこそが要らんわ〜〜〜(大きな声では言えないが)

こういった方は、お口憎んで人を憎まず。ですね。

一気読み次は「ベルト調整」へ。

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