こんな修理初めて
2004年12月10日
この笑ってコーナーの「目覚ましに電池を入れない理由」という所で登場する中学生のお話ですが、早あれから2年。もう高校生になっていました。その彼が、先日やって来まして。
服装を見ると上は野球のユニフォーム下はジャージといった変な格好でやってきます。
「おっちゃぁ〜ん、頼みがあるねん。これ直してな〜な!」
「お〜、久しぶりやんか。しばらく見ない間に大きくなって。しかし、何や?その変な格好は?」
「急いでるねん、これ水が入ったのやけど直して」
水が入ったと言うから腕時計と思いきやスポーツバッグから出てきたのは”掛時計”・・?彼のおかあさんが5年前に買った小さい目の掛時計ですが。
「水って・・・腕時計やなくて掛時計か?何やこれ文字盤に水が溜まってるやんか?それに泥まで付けて。お前、掛時計に革ベルトでも付けて、腹に巻いて練習しとんのか?」
「そんなアホな事する奴おらへんやろ〜」
「いやいや目覚まし20個セットする奴やからな」
「まだ言うのかいなその話、それより早く直してよ!!急ぐねん」
「急ぐとか言う問題やないで、こんな修理聞いたことも無いわ。まぁ、ウチで買って貰った時計やし無下に断りはせんけど・・とにかくは乾かすしかないわ。時間も掛かるし・・・
そや、おかあさん近いうちに腕時計の修理とりに来るからその時、渡しておくは」
「ヤッバぁ〜〜、それめっちゃヤバイやん」
「何じゃそれ?家の掛時計に何でお前がそんな必死になるねん、聞こか?理由を」
「そんなん、ど〜でもええやん。早く〜」
「理由聞かせたら何とかするわ」
「も〜うしゃ〜ないな。あのな、今家に帰ってな泥だらけのユニフォームの下だけを脱いで廊下から脱衣場の洗濯カゴに放り込んだねん、ナイスシュートや!。ユニフォームのまま部屋に入ったら部屋が汚れるって、おかん(母親)、うるさいからな。」
「そりゃ〜そうやは」
「それで部屋に入ったらな、おかんがユニフォームの汚れ落ちにくいんやから、ちゃんと洗濯機に浸けときよ!って言うからな洗濯カゴの中身全部放り込んだねん。
ほならな”ガチャ”いうて音がするからな、見たら時計があったねん」
「けったいな家やなぁ、何で掛時計が洗濯カゴの中にあるねん」
「そこやねん。俺、焦ったで〜!時計が有る事なんか知らんし、ましてやその上にユニフォーム放り込んだから時計なんか見えへんやん時計ごと放り込んでもた!と思ったら奥から、おかんがな” 掛時計の電池換えたけど背が届かへんから戻しといて”って言うねん」
「なるほど。そりゃ〜そこで洗濯機に入れてもた!とは言えないわな。それにしても何で、おかあさんそんな所に掛時計置いてたんやろな?」
「それはこっちが聞きたいわ。けど、バレたらヤバイやんか」
「 なんで???。おかあさんに何であんな所に掛時計置くねんって言ったらええやんか」
「そんなん言うたら、よけいに怒るがな。
おっちゃん俺の”おかん”よう知ってるやろ、またうるさいがな。それで今おかん、買い物に行ってるからな。帰ってくるまでに掛時計吊っとかなヤバイねん」
「そりゃそうや。そういう深い事情があったらしゃぁ〜ないわ。何とかしたろ!」
「直るか?」
「分かるかいな、そんなん。まずは無理な方が90%。しかもすぐにやろ?せめて1日預からしてくれてたらええけど・・・事情が事情やしな」
「頼みますm(..)m m(..)m」って必死。(;^_^A
「けどなぁ、これ修理やなくて分解して乾かすだけやからな。仮に動いたとしても2・3日動いたら止まるかもよ」
「ええね、ええね1日でも動いてくれたら。 水に入れたのさえ分からんようにしてくれて1日でも動いてくれたら後は”壊れたんやない?”言うたら分からへんって」
という事で早速。まぁ、安い時計ですから構造は簡単。掛時計を分解して行きます、
それからガラスの裏や文字盤 を拭いて行きます。問題はムーブ。これは今の時代の安い物はとても分解など出来る作りではありません、それに時間も無い訳ですからドライヤーで乾かすのみ。
かといって熱を与え過ぎると電子部品が壊れますから熱くならない程度で。15分乾燥させたら・・・動いた!!
「やったぁ〜〜!おっちゃん神様に見えるわ!いくら?」
「ええがな、ええがな。それよりか早く帰らんと、おかん帰ってくるで」
「ありがと!」と、またその変な格好で帰って行った。
その数日後。”おかん”いや失敬。おかあさんが腕時計の修理を取りに来ます。直った腕時計を着けてから、あの掛時計が提げ袋から出て来ます。
「そうそう、忘れよった。この時計やけどね電池この前換えたのに遅れるのよ」
そりゃぁ〜、そうでしょう。しかし彼をかばうためにもOo。。(_ _))
一応時計を調べる仕草だけしてから。
「奥さん、これ脱衣場か台所か湿気のあるとこに掛けておりません?中が湿気てますわ。これでは遅れても仕方が無いですわ」
「そうかぁ〜、やっぱり洗濯機に浸けたらダメね」(〇o〇;)ギクゥゥゥ!!
知ってたのかぁ?Oo。。(_ _))
「洗濯機に浸けたのですか・・・?」 (まさか知っている・・・)
「そうよ。電池換えようと背伸びして外していたら手を滑らせて洗濯機に落としたのよ。
電池入れても動かないし・・・でも乾いたら動くは!って思って。とにかくは濡れてるから洗濯物の上に乗せておいたのやけど。丁度息子が帰ってきたから掛けてもらったら動いていたから、
やっぱり乾いたから動いたと思ってたんやけど・・・でもやっぱり遅れるから、あかんみたいね。」
乾いたから動いた・・・って。
「俺が乾かしたのだぁ〜!」言えないけど・・
でも、それでね。洗濯物の上に掛時計があったのは・・Oo。。(_ _))
おかん。自分で洗濯機に落としたのだったら。
息子のヒヤ汗と俺の苦労は何だったのだ・・・Oo。。(_ _))
一気読み次は「電池交換11個」へ。