惣菜
「2005年2月28日」
昨日おばあちゃんが電池交換にやってきます。まだ60半ばくらいですから若いのですが。何かぼぉ〜っとした感じ。(熱でもあるような感じ?)
「すみません、電池交換して欲しいのですが」
「ハイ!どんな時計でしょうか?」
「これなんですけど・・」
と、無造作にバッグの中に手を入れると3つの時計が出てきます。両手で差し受けて。
「わかりました。3つですね。10分くらいですからしばらくお待ち下さい」
そのまま修理机の上まで持ってきて手の中が”ぬるっ!”としてるのに気が付きます。そして”酢”の臭いが、ぷぅ〜〜んと。
「奥さん今、お惣菜買い物されてきました?」
「えっ!そんな事なぜわかるの?」
「だって、時計が”酢みそ” でベタベタですもん」
「あ〜、それでね」(って、動じません?)
「いやいや、あのぉ〜。時計がこの状況では鞄の中で、お惣菜がこぼれてますよ」
「えっ、嘘ぉ〜〜!」
こちらは電池交換が仕事ですから、時計を1個一個拭いてから作業を始めますが・・・酢の強烈な臭い(;_;)
おばあちゃん、いきなり鞄の中の鍵や携帯やらガラスの陳列ケースの上に取り出して行きます。
「嫌っ!なに?これ。うあわぁ〜!ややややや」何やら騒々しいです。(;^_^A
ふと陳列ケースに目をやるとガラスの上に惣菜 が惣菜用の薄いナイロンのまま、3つも置かれております。どうやらそのナイロンが破れているうよう。
こちらは3つの電池交換も終わって、代金を頂きますとお客様は無言でダッシュで出ていきます。
ガラスカウンターの上はベトベト・・・強烈な臭いも・・・・
雑巾を取りに店の裏に回ってから出て来ると。すでに次のお客様が・・・カウンターに鞄を置いて「すみません。誰も居ないのぉ〜!」
急に鼻をクンクンさせたかと思うと・・
「何ぃ〜!この時計屋さん!わっ!鞄が!・・・」
「いらっしゃいませぇ〜!」(;^_^A
一気読み次は「急ぎます!」 へ。