強制運針器

買いました!

「強制運針器」というと物々しい感じですが。私が勝手に付けた名称。
この上に時計を乗せてスイッチONにすると秒針が10秒くらいで一周します。
当然、長短針も連動して早送り映像のように動きます。
磁場を発生させて歯車を強制回転させる装置ですが。

電池交換で動かない時計でも「クォーツ・パルス」が出ていれば動いているという事で
電気的には動作しているが、歯車に物理的に動けない要因があると言う事。それは
「長期間の放置・湿気の侵入」などで歯車どおしが密着して固着したり、
ほぞが地板と固着した時に起こります。

使い方の 比喩としてタイヤの前方に置いた小石。
距離があればタイヤが転んで勢いで乗り越えますが
直前に置かれれば乗り越えるのに大きな力が要ります。
でも一度、転び出せば何ら力は不要!って現象と同じですか。
よって強制的に回転させる事によって、弾みを付け。
以後、高速で回転させる事で歯車の噛み合い・固着等が馴染んで行き
動きがスムーズになり動き出すことがあります。

「この機器での処置を比喩すると」
長年放置した自動車を動かしたところオーバーヒート気味なので
エンジンオイルをつぎ足して応急処置。そういう感じですか。

その症状は基本「分解修理」ですが、これで直る場合もあります。
今まで、こういう道具が無かった事が不思議ですが日本人的には流行らないでしょう。

スイス製ですが欧州らしい発想の製品です。言い換えれば、この発想は
精密機械という機械時計の製造を手がけてきた本場、欧州では
「クォーツなんて、おもちゃみたいなもんだ!」イチイチ、分解しなくても!って。
お国柄的な発想かもしれません。
いえ、クォーツでは本当に分解出来ないムーブが多くなっており。
必要性に迫られての開発かもしれませんね。

ちなみに落としたり、衝撃で歯車の刃先が欠けた様な症状は、この器械に掛けても
「針が高速でピクピク」振動するだけで進みません。
また進んだとしても、刃先が欠けた箇所まで回転すると止まります。
こうなると分解修理で”歯車の交換”をしない限り修復は不可です。

ただ分解修理出来ないムーブメントが多い現在、これで動かない場合は
「お手上げ!」ムーブメント交換しか手段は無しです。

1万円弱はしますから個人で持つには高い買い物ですが。
私の場合は不動で返却する時計が年に10〜20個はありますから
1年で充分元がとれる器械であろうかと購入です。

2011年6月サーバ引越で過去データの引越が出来ず新設です。