ムーブメント交換

最近よく「ムーブメント交換でお預かり」という記述がありますが
対応出来るのは、下記写真のブルーのムーブメントに限られます。
時計としては「TAG HEUERなど」に多く採用されたムーブメントで三針に限ります。
クロノグラフ(ストップウォッチ)・タイド計・アラームなど
付加機能があるムーブメントは不可となります。
大事なのは「メーカー純正ムーブでは無い」という事です。
「ブランド・ウォッチの汎用ムーブメントです」

(あとSEIKO系は交換用ムーブの供給はありません)
CITIZEN系(MIYOTA)は交換可能ですが、10.000円は掛かりますので
新品の価格との天秤になるでしょう。

費用は「15.000円〜30.000円」くらいです。大概のものは20.000円くらいでしょうか。
費用が変わるのは、汎用個数・サイズや厚みによって必要な調整によるものです。
15.000円は過去の例で、まさにポン!と入替が完了し一番安く済んだパターンです。
それでも「巻芯の長さ・針と文字盤の脱着・カレンダーの位置合わせ」など
素人さんで出来る作業ではありません。

注意点は写真のピンクの枠線部分のパーツ(金属の板)。
メーカー純正では無い都合、この部分は無地なります。
つまりは「ブランド・ロゴは消えた様に感じます」。
TAG HEUERのムーブメント交換に関しては、このパーツを移植できる物もあります。

この「ロゴの消滅」ですが。
※ 消えたので:ムーブメントは純正ではないのですか?
※ 移植できたので:交換を依頼したのに分解修理で済ませたのですか?

こちらからすれば「開けて確認しているのか」という事ですが。

あと写真の様に「カレンダーは3時位置、とは限りません」

文字盤カレンダーの構造はこちらで)

これが文字盤下のカレンダー板ですが、この写真は「3時位置」のムーブです。
このムーブに6時位置の文字盤を付けたら「18」当たりでしょうか。
数字は横を向きますから、変です。
カレンダー位置は合わせられても、「数字のフォントが変わる」。
そういう場合も稀にありますが、それはお任せ頂くしかありません。
あとは地板の色・フォントの色が変わる場合もあります。

これなどはムーブメントとしては、上のブルーのものと「Moveメーカーは同じ」ですが
古いタイプです。よってムーブメント交換は難しいですが
針の「取付け高さ」などが今のムーブと違うために調整が出来ないと
ムーブメント交換が出来ません。
これは作業してケースに収めてみないと分かりません。
収まらない場合は、職人さんは返却してきます。
勿論、職人さんにとっては手間は掛かっても費用は請求してきませんが
それだけに「断ってくる事もよくあります」

その場合は「分解修理でもOK」というご了解が頂ければ
いくらかの仕事にはなりますので、受けてくれ易くなります。

ただ、この年代の分解修理は「電子部品の不具合が出れば対応不可」です。
オールド・クォーツと同じ扱いですから「ご了解頂ける方のみです」。

それと最近はどのブランド・メーカーも「部品の供給を止める傾向にあります」
よって、ムーブメント交換の対応も費用が変わる可能性もあります。
また「ムーブメント交換、対応すら不可」となる時代も近いかもしれません。

ムーブメント交換はメーカー修理の場合。
「最低50.000円」くらいですが防水機能に影響が出る場合「竜頭・裏蓋」の交換。
使用に影響する場合は「ブレス」等の交換となりますから
10万円は覚悟の修理となりますから。
純正では無いとはゆえ、50.000円頂いても良いと思っております。
安いから「怪しげなムーブメント」と思われるなら、
”親切が仇”という結果に。これは私の得意技になってしまいます。

余談

この”交換用ムーブメント”ですが、欧州からの輸入物。
まして遠く離れた日本への供給のものは、鮮度や状態はバラバラ。
製造年月日などは不明です。よって職人さんは物によっては
ムーブメント交換するのに、分解修理までして交換することもあります。
浸水で錆びたムーブ・永年劣化で摩耗が激しいムーブなら
分解修理よりも「交換がお勧めです」。

ムーブメント交換のご依頼で「フォントの種類・色具合」などの
指定や確認を希望してくる方は「メーカーへの依頼」をお勧めします。

2017年5月