腕時計の基礎知識/腕時計の文字盤とは/ダイアル

腕時計の文字盤。これは”腕時計の顔”です。よって腕時計メーカーにとってはデザインにかなり気を遣う部品の一つです。文字盤のデザインや表面仕上げによって腕時計が安っぽくなったりもします。
腕時計マニアの間では「ダイアル」と呼ばれてます。ただ一般的な呼称としては普通「文字盤 」でしょう。「文字(板)」とも書きます。呼び名はどちらも「もじばん」です。後者は「もじいた」と言う言い方もあります。結局どちらでも良いようです。
腕時計の業界に居てもあまりダイアルって言葉は聞きません。また腕時計職人さんの間ではダイアルとは言わないで「エト」と呼んでいます。よって文字盤交換のことを腕時計職人さんは「エト換え」と言います。
文字盤の修理状況を伝えるのに「文字盤を外してみたら足が折れていた」と言うのを。「エトを外したら」とは言わないです。「文字板(いた)はぐったら(外したら)エト足が折れていた」(関西弁 )といった使い方をします。これは決まりとかでは無いですが。なんとなく風習かも知れません。まったく余談でした(;^_^A 。普通は「文字盤」でOKです。
この腕時計の文字盤ほとんどの物は素材が金属です。(最近はプラスチックの文字盤もあります)腕時計でも安い物は金属にインデックスの紙が貼ってあるのみの腕時計から。

上記写真の様に塗装はされていますがインデックスはプリントされた腕時計。

上記写真の様に金属の表面に模様を付けたダイアルもあります。(これはALBAのSuccess-Vintageですから定価も¥20.000の腕時計のダイアルです。)

写真は1980年代の文字盤ですが金属板の上に塗装をして、それから金属のインデックスを
貼付けた物です。1980年頃でも定価が¥20.000以上の腕時計では皆、これくらいの文字盤が装着されていました。
さて腕時計の値段に関係なく文字盤は、どのように固定されているか見てみましょう。文字盤を裏返しますと。

このように「2本の足」が出ています。これがムーブメントに突き刺さる様に固定されています。これも高い物になると足が「3本足」であったり。またこの足をムーブの横から「ネジ留め」してあるものまであります。これが先に書いた「エト足」というものです。
文字盤についてこちらでも詳しく。(修理質問コーナー)
ただ、見てもお分かりの様に「かなり細い」のです。写真の文字盤はまだ太い方です。よって「落としたショック」などで、この足が良く折れます。そうすると。

このように文字盤が腕時計のケースの中で回転します(;^_^A 。
こうなった文字盤は店でも比較的多く持ち込まれますが「修理は不可」です。こうなると普通は「文字盤を交換」になります。費用は腕時計購入時定価の15%くらいが目安です。¥30.000くらいのもので¥3.000〜¥4.000くらいになります。
どうしても修理は出来ないか?と言えばそうでもないのです。では修理するとなればどうするか?文字盤の素材は金属です。よって折れた物は「溶接」すれば付ける事は可能です。しかし当然、熱がかかる以上は表も焼けて黒く変色します。それでは時間が分からないですから後で文字盤表面を「書き直し」となります。
そうすれば修理は可能ですが職人さんの手間はかなりのものになります。よって費用も¥10.000は掛かります。そうなれば「修理よりは文字盤交換の方が安い」事になります。
しかし定価¥50.000くらいで買った腕時計を15年間使用した場合です。交換するにもメーカーが部品を在庫するのは「約10年」。よって交換するにも部品がありません。となれば「書き換え修理」に¥10.000以上を掛けるか?と言った判断になります。「結局は腕時計自体の買い換え」となってしまう場合が多いです。
もっとも「アンティーク腕時計」などを所持されている方は文字盤は交換するにも部品がないです。よって「修理=書き直し」してまでも皆さん修理されます。

文字盤の解説ついでに写真の様な”地模様”が施されている物を見る事があると思います。これを”ギョウシェ模様”と呼びます。これは何の為かと言えば、もちろん見た目の美しさの為もあります。しかし、本来の目的は腕時計の視認性を高める為です。このギョウシェを施す事により文字盤の乱反射を防ぎ時間を見やすくする為の細工です。
次は「腕時計の竜頭とは」です。


