腕時計の基礎知識/クォーツ腕時計の”Quartz”表記について。

2005年5月に「質問サイト」で「腕時計や目覚ましの文字盤に
”Quartz”って文字がありますが何の意味?」
といった質問が取り上げられました。そこでこれについて補足してみたいと思おります。

この”Quartz”表記ですが腕時計にも目覚ましにも記載されております。(2004年現在)
腕時計の世界で”Quartz”は前ページでも触れましたが腕時計の精度をつかさどる
「振動子」の発信方式を指します。
さて質問の「何故わざわざ”Quartz”と表記するのか?」ですね。

このクォーツと言うのは「電気を与えて振動させる」と書きましたから当然
”電池が必要”です。つまり「クォーツ=電池式」。
そしてクォーツのページでも書きました「クォーツ=狂わない時計」。
つまるところ「クォーツ=良い時計」「ゼンマイ=正確で無い悪い時計」というのが
2000年頃までの世間一般のイメージです。

よって”Quartz”の表記は「電池式=正確に動きます」の意味で、
つまるところは「Quartz=正確です」と言いたいのです。
時計って狂わない物と思ってる平成以降の世代には理解しがたいでしょう。

ではQuartzで無くても”Battery” ”Electric”の方が解りやすいのでは?
そう思おりませんか。そこで説明が必要になります。

 

先に「電子ウォッチ」の所でも解説しましたが。
腕時計基礎知識/電子腕時計文字盤

電子時計は電池で動きますから「ELECTRONIC」と書いてあります。
当時(1970年頃)はこの表記を見て”お〜、電池式腕時計か!”と
購入者を納得させた訳です。
その頃の「目覚まし」にもこのELECTRONIC」の記載がありました。

そういった事情からElectronicやBatteryなどの表記は
クォーツ時計よりは精度の悪い時計と勘違いされます。
それでは困るくらい、クォーツと電子時計は別物ですから。

それにもう一つ!
今や日本が発明したクォーツは、日本のみでなく世界各国で販売されております。
海外でもやはり「クォーツ=正確な時計」といった認識は伝わっており。
海外向けたアピールとして「水晶」では通じない。

ちなみに日本では「電池の事はBattery」ですが、外人さんに「腕時計のBattery」と言えば怪訝な顔をされた経験は無いですか?(東南アジアの方面の方に)
そう、海外では目覚ましやラジオに入れる電池は「Cell」とかの事です。
「Batteryと言えば、車のバッテリー」の事です。
日本で目覚ましの文字盤に”Battery”と書けば電子時計と勘違いされる程度です。
でも海外向けに作られた製品にで文字盤に”Battery”と書けば通じないかも?

話は逸れますが東南アジアのある国では「単車、バイク」の事は「ホンダ」と言うそうです。その国ではバイクが走り初めて、気がつけば「HONDA」と書いてあったので。
原動機付き自転車の事を「ホンダ!」と呼ぶようになったそうです。

ちなみに2005年現在では国内向けの製品でも、文字盤に”Quartz”の記載がある物は無いです。それだけ当たり前になってきたと言う事です。
コラム:
時計メーカー以外が作った目覚ましなどは、ブランド力が無くやはり
売るためには文字盤に”Quartz”の表記は欠かせないようです。

クォーツの解説に戻る。 2004年7月(記述)2017.6.17修正