腕時計の基礎知識/多軸カレンダーとは。その修正方法
2004年7月(記述)
この文字盤はクロノグラフに見えますが違おります。
文字盤の針はカレンダーです。こういうタイプを「多軸カレンダー」と呼びます。
これも基本は前ページの解説と同じで。
”カレンダー操作禁止時間帯”もありますし、カレンダー合わせは
”午前・午後を合わせてから”。日にちと曜日を合わせる、と言うのも同じです。
腕時計の文字盤は見てみると良く分かりますが、クロノグラフの様な文字盤です。
でもよく見ると小さい針の目盛りが「MO・TU・WE」であったり、
右の小さい針は「31までしか数字が無い」と言う事は”日にち表示”です。
前ページの腕時計と違って便利な所は下の小さい針が「24時間計」ですから、
針を回してみなくても腕時計の「午前・午後は一目で分かります」。
よくこのタイプの腕時計を「クロノグラフ(ストップウォッチ付き)」と間違おります。
クロノグラフの腕時計との違いは分かりますか?
そうストップウォッチが無い訳ですから、
竜頭の上下に「プッシュボタンが無い」これで一目瞭然です。
写真、右の竜頭の上にボタンがあるのが「クロノグラフ」の腕時計。
写真、左のボタンが無く竜頭のみの方が「多軸カレンダー」です。
この腕時計もカレンダー合わせをやってみましょう。
今この腕時計は「11日・金曜日・午前12時」です。
「午前12時は間違いなく、禁止時間帯」ですから、一段引きでの早送りは御法度!
先ず”○の竜頭を2段引いて針を回します。
この時計は「24時間計」がありますから午前・午後の判断は簡単です。
写真の様に3時20分まで回して(写真4)初めて曜日が一日進みます。
今日が「土曜日」とすればこれで曜日はOK。
次に”黄色い□”の日にちを合わせます。
これは竜頭を1段戻してから早送りすればOK。(逆回転しないのも同じ)
このタイプの腕時計厄介なのは「曜日の早送り」は出来ないです。
日にちは早送り可能ですが。ではどうやって合わせるのか?
もしこの状態で「水曜日」に合わせるとしましょう。
その場合は「4日分」長短針を回すしかないのです。
つまり「短針が2周で一日進む訳ですから、長針なら24周。
それに×4日」ですね。これは大変。
よってこのタイプの腕時計はカレンダー合わせの順序として
「先ずは針を回して曜日を合わせる」→「腕時計の午前・午後を合わせる」→
「日にちを早送りして合わせる」の順番になります。
しかし4日分も針を回すなんて大変です。そこでご安心ください。
「裏技を紹介しましょう」。
腕時計マニアの方は皆さんご存知ですが、昔のオートマティックの時代は
「カレンダーの早送り機能は無く」普通にこの方法は行われていた訳です。
「その方法は」
針を回して「予備が切り替わり、更に1時間分長針を回します」
そこから、長針を逆回転させます。(禁止時間帯に入る30分くらい前まで)
逆にまわしますが(それでも曜日は戻りません)不思議でしょうが。
次に、また正回転させて禁止時間帯が終わる30分後まで。
この操作(長短針を5時間分くらい、戻したり進めたり)24時間分
送る事が出来ます。19時間分だけの早送りです。
これを4回繰り返す事で4日分、曜日の早送りが出来ます。
それでも4日分を進めるのは大変ではありますが。
昔の人は苦労したと言う事です。早送り機能が発案されたのも良く分かります。
この機能は”多軸カレンダー”のみではなく普通のカレンダーも同じです。
そこで!もっと簡単に解決する方法はないのか?と。
そこで「究極の裏技」を紹介しましょう。
こんな事は時計店が「間違っても口にしてはならない」と言われた方法です。(-.-;)
「曜日は無視する」。どうですか!確かに口にしてはいけないわ。こんなの!( ̄○ ̄)
以上が「カレンダー早送り」の豆知識でした!d(^_^)。
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