腕時計の基礎知識/腕時計の竜頭とは(リュウズ)その役目

腕時計の竜頭についてですが、読み方は「りゅうず」です。
腕時計マニアの間では「クラウン」ですが一般に使用される言葉ではありません。
よって 「竜頭」とだけ覚えておけばOK。
普通の時計店では、お客様が「クラウンのを回すのが固いです」
なんて言われたら目が点になります(・・) 。
竜頭の用途は「秒針を停止させる」「針を回す」「カレンダーを修正する」
それが竜頭の主な役目です。

写真の腕時計はカレンダーが無いタイプですから「針を回す=秒針を停止させる」
のみ。2つが役目です。
つまり竜頭を引き出せば「秒針が止まります」、その状態で「針が回ります」。

何故、竜頭を引き出せば「秒針が停止」するのか?ですが「秒合わせ」の為です。
秒針(一番細い針)が12時に来たら竜頭を引いて停止させます。
そして時報の「ぽぉ〜〜ん!」(若人は意味不明らしい)。スマホの時計が正時になれば
押し込んでスタートさせて秒合わせです。

例えば上の写真の様に8時58分10秒とします。そこから写真・右。
「秒針が12時位置に来るのを待って竜頭を引き出します」
すると12時位置で秒針が停止します。
次に「長針」「短針」を回して「9時位置」に合わせます。(下の写真。)

腕時計基礎知識/秒針停止

写真でも分かりますがまだ竜頭は引かれたままです。
この状態で「9時の時報と同時に竜頭を押し込む」。
これで腕時計の時間合わせでも”秒まで合わせる”事が出来ます。

竜頭を戻す

ちなみに8時58分なら。9時まで待たなくても8時59分で合わせても良いのでは?
そう思われるでしょうが。この文字盤 は1分刻みの「目盛りが無い」。
よって目盛りのある所で合わすほうが正確ですね。

それだけでは無く、腕時計の針は歯車で回しますから”歯車の遊び”があります。
よって正確に針の先を目盛りに合わせる為には、
目的の目盛りよりも少し進めてから戻してスタンバイするのが正しい合わせ方です。

 

腕時計基礎知識/竜頭拡大

ついでですから上の写真。これが腕時計の竜頭の形状です。
(写真は根元が錆びて、もう使えない物ですが新品の竜頭を外す訳にもいかないので)。
こういった細い物ですから、あまり力を入れて引くと折れます。

店頭で聞くお客様の言葉として「竜頭を引き出せば秒針が止まる」と書きましたが、
竜頭が服の袖などに引っかかって、結果的に引いて秒針を停止させているのに。
電池切れと勘違いして電池交換に来店される方がおります。
電池切れが早いな?と思ったら先ず竜頭が出ていないか押し込んで確認です。

余談ですが腕時計のマニアの間では「クラウン」と呼ばれると書きました。
何故クラウンなのか?それは何百年も前になりますが竜頭の形状が
”Crown=王冠”に似ていたからだそうです。
ちなみに本来竜頭というのは写真の”金色の頭の部分”のみの事を指します。
下の”棒の部分”これは「竜芯」(りゅうしん)「巻芯」(まきしん)とも言おります

竜頭について更に詳しく知りたい方は”よくある質問/竜頭修理”でどうぞ。

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