時計の基礎知識/クォーツ腕時計

今の時代、普通の腕時計といえば「クォーツ時計」(電池式)です。

先ずは。なぜ「クォーツ」と呼ぶのですか?。(そこからですか?って質問ですが)
「クォーツ」は”Quratz”と書きますが日本語では「水晶」ですね。
よってクォーツ腕時計には水晶が入ってます。
クォーツ腕時計が発売の頃(1970年初期〜中頃)までは
クォーツ腕時計の値札には「水晶腕時計」と大きな文字で入っていました。

では、なぜ水晶なのでしょうか?これは精度を上げる為ですが、
腕時計の精度は何で決まるのかは「機械式時計」のところでも解説致しました。

「機械時計ではテンプの回転を、如何に多くの回転を「1秒」に変換させるか?
それが腕時計の精度の進化であった訳です。 」
という事で。

ゼンマイ腕時計は「1秒に10回転」が最高の精度(振動数)だったのです。
ところが水晶を音叉のように加工し、これに電気を与えると。

「1秒間に3万回以上の振動が得られたのです!」
機械式腕時計の「10→が3万」ですから精度も別物。
たったの「10」と「30.000」では比べものになりません。
また「ゼンマイが→電池に」(1年置いていても動く)
「テンプが→水晶発信子に」(機械時計の時代からすれば”狂わない時計”でした)
腕時計の構造を根底から覆した大発明でした。

このセイコーが発明した「クォーツ腕時計」は、機械時計大国の
ヨーロッパ諸国の時計メーカーを経営危機に陥らせるレベルの大発明!
「クォーツショック」として、世界を震撼させました。

一日に15秒くらい(1ヶ月で7分〜10分)狂うのが当たり前の時代だった頃に。
いきなり1ヶ月で数秒しか狂わない腕時計が発明された訳ですから。
それはもう大騒ぎになったものです。
その様子はNHK-TV「プロジェクトX」でも、紹介されました。

さて、ここからはそのクォーツ腕時計のムーブについてです。

腕時計基礎知識/クォーツムーブメント

これがクォーツ腕時計のムーブメントです。下の機械時計と比べて違う所は。
1.「青い○」これが電池です。
2.「紫の□」これは、コイルです。

この2つが「クォーツ腕時計の外観の特徴」です。

クォーツ腕時計はこの小さな電池(1.55ボルト)で「2年〜5年」作動させます。
という事は電池内の電気がそのままムーブメントに流れれば、
数時間で電池を消耗し止まります。
そこでこの「コイル」によって電流を調整して長く持たせる役目をしております。

機械式腕時計ムーブメント

写真左機械時計(手巻き)にも「丸い電池の様な物」が見えますが、
これはゼンマイを収納している部分(香箱)です。
ここでゼンマイの解説も変ですが(;^_^A。
クォーツ腕時計にはゼンマイは入っておりません。代わりに「電池」が入っている訳です。

古いクォーツ腕時計ムーブメント

写真は1980年代のクォーツ腕時計ムーブですが、電池をバネで押さえた丁寧な作りです。
今の時代のクォーツ時計は電池をネジで留めるといった丁寧な作りはしない。

腕時計のクォーツムーブメント2

これは¥10.000くらいのクォーツ腕時計のムーブメント。

 

安いクォーツムーブ

数千円のクォーツ腕時計となれば中身は簡素。メンズもレディスも同じムーブ。

ページの最初でクォーツ腕時計は「大発明」だっただけに超・高級品。
それが発明から30年以上が経った今。(2004年現在)
数千円のクォーツ腕時計や目覚ましまでが出る世の中になってしまって、
クォーツ腕時計の価値も下がったものだと感じる次第です。
時計の文字盤の中央にある「Quartz表記の意味は?」事も起こります。

こういったクォーツ時計のムーブメントは
Cooの腕時計の「腕時計の電池交換」コーナーを見て頂ければ
色んな年代のムーブメントを比較する事が出来ます。

次は「発電クォーツとは」です。 2004年7月(記述)2017.6.17修正