腕時計修理の質問集/普通の竜頭が抜けました。

竜頭が抜けましたが交換しか無いのですか?と言う問い合わせがありました。

”竜頭が抜けましたが直りますか?”これは状況によります。
上記写真の状態なら修理出来ます。
ではどの様な場合が修理出来ないで交換になるのか?。
それを解説してみたいと思います。

腕時計の横に付いている時間を合わせるツマミ。これを竜頭(リュウズ)と呼びます。
これがどの様な構造なのか見て行きましょう。

写真は竜頭を抜いたところです。指で回す所のしたに”黒いゴム”が見えます。
これが竜頭パッキンです。これが5・6年もすると硬化してきます。
本来は電池交換の度に、このパッキンまでグリスを射すか交換しないと
完全な防水性の維持は無理です。
しかし、電池交換の度にそこまでする方は皆無です。
竜頭というのは、この状態で一つの部品と思っておられる方が多いのですが。

この部分がネジになっている所に着目です。つまり、ネジを緩めれば外れます。
左側を”巻芯(まきしん)”と呼びます。
本来”竜頭と言えば右の摘まむ箇所の部品のみ”の事を指します。
これはネジを回すのみでは外れません。
何故かといえば腕時計用のセメントで固定されているからですね。と
ころが年数と共に。また何かの衝撃でセメントが剥がれると緩んで来ます。

私の経験からは10年以上使用した腕時計なども頻繁に電池交換します。
でもこの用に外れる竜頭を見る事は殆どありません。やはり雑貨ウォッチには多いです。

さて、話を戻します。もし”竜頭の頭”のみ、ネジが緩んだのであれば、
写真の状態のはずです。
この状態で外れた竜頭を紛失していなければネジを締めるだけですね。

問題は、この状態で時計が動いているか。止まっているのかです。
動いていれば単純にネジが緩んだだけでしょう。
止まっている場合は3種類の原因が考えられます。

1.
竜頭が外れると上の写真の様に隙間が出来ます。そこからホコリが混入して歯車にからみつき止まった場合は分解掃除をするしか方法はありません。

2.
ネジが緩むという事は、外れる前は多少竜頭がケースから飛び出していたはずです。服を脱ぐときには当然、袖口に引っかかりやすくなっています。その時にかなりの力が掛かれば、本来は抜けない竜頭を強引に引き抜いた格好になりますから、竜頭と歯車を連動させる部品を壊している可能性があります。これは”分解掃除+部品代金”になります。(この場合は竜芯ごと抜けて紛失か、竜芯が残っていても”竜芯と竜頭が折れています)

3.
もう一つは単なる電池切れ。(竜頭が外れた時、偶然に電池が切れた。)実際に何度かありました。

では、ここで「竜頭が外れたが腕時計が止まっている場合」です。
どの様に確認するのか。
基礎知識の竜頭の所で”竜頭を引けば時計が止まる”事を説明しました。
その状態であれば止まっていても当然です。では確認してみましょう。
これが竜頭が外れた状態で裏蓋を開けた所です。(時計は止まっています)

我々はオシドリの位置で竜頭が引かれていることが分かります。
しかし裏蓋が閉まっている状態では分かりません。そこで。

この様に外から突いてみます。(爪楊枝で良いでしょう)これで時計が動き出せばラッキー。
単なる竜頭が引かれた状態です。オシドリを押しながら竜頭を引くと竜芯が抜けます。

外れた竜頭があれば、これにねじ込んで取り付けるのみ。
(もちろん腕時計用セメントで)では外れる前に気が付かないか。
まず確認は竜頭を押し込んだ状態でも、
この様に竜頭とケースの間に隙間が出来ている場合。
これはかなり危険、おそらく左に回せばポロリでしょう。

次の確認方法は竜頭を一番外まで引き出して針を回します。
今、1時45分ですが普通は竜頭を右に回すと針が逆回転です。
この様に戻りました。ここで左に回して針が進めばOK。
針が戻るのに進める事が出来ない。これはネジが緩んでいる証拠です
即、時計店に行きましょう。そのまま使い続けると必ず竜頭を紛失します

針が進まないのに左に回し続けるとこうなりますね。別の質問も参考に。

 

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