腕時計の修理の質問集/セイコー「スキューバの竜頭交換」

竜頭のみ取り付けは出来ますか?2004年7月(記述)

先日、店に居ますと電話で若い女性の声で問い合わせがありました。

何でもセイコーの「7N85の竜頭の取り付けって¥7.000もするのですか?」
という問い合わせです。
私もいきなり電話でこう聞かれてびっくりしましたが、状況が分かりません。
”交換では無くて取り付け?”。竜頭が無いのか?ねじ込み竜頭?

そこで状況を聞いてみましたら”子供と公園の砂場で遊んでいたと。
そこでどういう状況になったかは定かでは無いとして、
竜頭が抜けて砂に紛れて紛失したと言う事です。
そして電話帳で目に止まった時計屋さんに電話で問い合わせたら
”竜頭の金額は¥7.000です。”
と言われたそうです。
高いと思おりますが、お宅もそうですか?という問い合わせでした。

キャリバーは「7N85」と言うことで、調べてみます。
おそらく先に電話された時計店の判断ですが。

時計店はこういった「腕時計電池対応表」も持っております。
このように「7N→7N85」と辿ると。電池が「SB-AGで電池寿命2年」と分かります。

ここに「H」のマークがあります。
セイコーに送付と言うことはダイバーであろうと聞いてみると
「SCUBAです」という事でダイバーウォッチです。
もう10年も前の購入と言うことで金額が分からないらしいです。
おそらく定価で¥35.000〜¥50.000ですね。
「SCUBAはこんな時計」(電池交換コーナー)

次に「セイコーウォッチ修理料金表」左□の上。
「リュウズ・ボタン交換」から右へ辿って上の○。

おそらく「Eランク」の部類ですから¥6.000〜¥7600」の間をとって
「約¥7.000」との返事であると思おります。

そこでお客様の返事は「どこの時計店でも同じなのですね。
ではそちらが近いので持参しますからセイコーに送ってください」と。そこで!

 

ちょっと待ったぁ〜!¥7.000と思ったら大間違い。
ねじ込み竜頭が抜けてる状態ではケースに穴が開いた状態です。
つまりホコリも入っております。当然時計も止まっているらしいです。
セイコーに送っても、もし腕時計が動かない場合です。
「動かないですが竜頭のみがご依頼ですから」という訳にはいかないでしょう。
おそらく「分解掃除」もさせて頂かないと竜頭交換さえ受付出来ません。
となります。

それなら修理は止めますと言えば「¥2.000」掛かります。
これは返送の梱包や裏蓋を開けた手数料と考えれば当然の費用です。
では分解掃除もするとした場合です。

○の「分解掃除を伴う外装修理」の項目を見ると。
おそらく。「¥12.000〜¥13.600」このくらいの費用が掛かります。
¥7.000と思って送ったら直らないで¥2.000払うか?。
または¥13.600で完全に直すか?。どちらかになります。

高いように感じますが竜頭のみで¥7.000ですから
OHが¥6000程の計算になりますから、かなり安いのです。
OHのみで送れば「Eランクで¥11.000」ですからね。
何故そうなるかと言えば「調べるためには、裏蓋は開けてある程度の作業は行おります」。
見方を変えれば¥13.000払っても¥11.000で分解して¥2.000で竜頭が付く計算です。
しかも”防水試験と電池交換”もしての値段ですから安いです。

では竜頭のみ付けて時計が動いたら¥7.000で済むのでは?。
といった判断もあります。
ただメーカーさんの場合で、そういった修理は受け付け不可となります。
動作の保証が出来ない限り”故障箇所のみ”といった受付は
メーカーとして立場上、出来ない規則になっております。

そう伝えても「やはり¥7.000は高いと」(v_v)。他に方法はないのですかと。

そこで!もう一つの方法としては「近くで腕時計職人さんの居る店に行く」
これも手段の一つです。
なぜならば近くの職人さんなら腕時計を送る訳でもないですから送料が発生しません。
そして目の前で止まってる理由が「竜頭が抜けただけ」なのか
「ホコリが入っているのか」その場で開ければ分かります。

もし竜頭のみで動いたら、取寄せにはなるでしょうがセイコーよりは安いでしょう。
ただ防水時計ですから「防水腕時計は電池交換してもらえない?」を読んでください。

そのかわり、その後の動作保証は無いです。
その後止まった時は分解掃除にその職人さんに出してあげましょう。
値段も職人さんの店ならセイコーよりも若干は安いです。
メーカー料金と同じなら誰でもメーカーに依頼しますからね。

こちら”普通の竜頭が抜けました。”でも竜頭について解説。

腕時計修理の質問集トップに戻る 2017.7.11修正