時計修理の質問集/防水腕時計は電池交換してもらえない?

akiyose.com/電池交換受付案内 2004年7月(記述)

腕時計の電池切れで、時計店に持ち込んでも
「これは防水腕時計で対応が出来ません」と言われた事はないですか?

これは、腕時計の防水性能に関係があります。
まず腕時計が「気圧防水」か「××m」防水モデルか?
それで判断される訳ですが、この違いはこちら「防水について」で。

電池交換に関して時計店の判断は「気圧防水」か「潜水用防水」かで判断されます。

気圧表記文字盤の記載例

その違いは写真の様に文字盤に表記されております。
先ずは「20BAR」表示ですが「20気圧防水」の意味です。

潜水表記

次に「200m」は「潜水用防水(JIS規格)」になります。
この「潜水防水表示(200m)」の腕時計がなぜ電池交換して貰えないか。
先に「潜水用」としましたが潜水するという事は「潜って水中で時間を見る」
それが前提になります。それに何の意味があるかと言えば。

腕時計の動作を信じて潜る訳ですから
潜水中に防水機能が保てず水が入って止まったら?
止まった事を知らずに潜っていると「死亡事故」に繋がります。
よって、時計店ではこの「200m」表示には過剰反応します。

時計店側の常識では「200m」防水腕時計の電池交換はメーカー送り
(パッキン交換・防水試験は必須)しか方法はありません。
ただ時計は「200m」表示でも潜る事も無いが。
「防水がシッカリしている」「デザインが良い」といった意味で
使用されている方が多いのも事実。

電池交換を受けてもらえないパターン1
購入時に時計店の店員に「とにかく防水のきつい物ください」とか
「潜りはしないけど、畑作業・洗車・釣り」という単語が出たり。
「水を使う仕事」とか言うと。時計店はやはり200m防水を勧めます。
後は200m防水時計の頑丈そうなボディと精巧なデザインだけで購入したり」すると。

数年後・・・電池交換に行った時。
「こちらでは出来ません。メーカー送りになります」と、なる訳です。
売る時に「電池交換は厄介であるとは言う時計屋はありません。」

 

換えてもらえないパターン2
あとは知人から譲り受けるパターンです。
購入された方が「200m」の意味を承知して買われたかどうかは別として。
貰った方がその意味をご存知ならば良いです。しかし
知らない場合は電池交換に行って「換えて貰えなかった」と、なります。

換えてもらえないパターン3(G-SHOCK)
G-SHOCKですが。これは「タフな腕時計」としてヒットした商品です。
それにあの頑丈そうなデザインから。
「何をしてもOK」といった認識で使用されている方が多いのです。

そういった認識が世間で常識になっている以上は、
時計店ではG-SHOCK=電池交換は潜水腕時計として扱おります。
特にこういった状態の場合(あまりきれくないですが )

では「200m」防水の腕時計はメーカー送りしか方法がないのか?。

それは「防水腕時計の電池交換の依頼の仕方」をご覧ください。


この記事を書いたのは2004年でしたが2017年現在の状況を。
時計業界はパーツの入手にメーカーを超えた横の繋がりが無く。
キズ・破損等のトラブルにも弁償対応が出来ません。
横の繋がり以前に10年以上が経過した古い時計も同じく部品はもうありません。
関西地方では「その事情を分かっていて受けたのか?」と
時計店の不備として突いた訴訟問題等が頻発しております。
大手商業施設(内)では「電池交換は一切不可」(ベルト調整さえ)が
普通になりつつあります。
(この私も被害に遭いましたが、時計業界に限らず被害が出ております)
電池交換出来るのは、そのお店で販売された時計に限り。
しかも10年以内のモノに限られます。

当然、目の前での作業は不可で、お預かりとなります。 2017.7.4修正