お断りする理由

ご依頼のなかで「お断り」するものがあります。
その「基準がお客様には分かりません」。理由としては
「基本的に全てのお預かりが、他店は断る危険な作業内容ですから」。
それを受付けている事を、ご依頼側には無いからです。
接客業としては対応を間違えば全ての人がクレーマーになるという意識があります。それを顔を見ない間で、危険な内容のものをお預かりする訳で。「同意確認」は取っているとはゆえ。「言ってくる人は言ってくる」それは当たり前と覚悟して対応しております。

「理由としては」
※ 断る理由を書くとA4一枚くらい書く必要がありそうな場合。
※ ご依頼内容がこちらに理解出来ないもの。
※ ご依頼の詳細が多い物。(内容が把握しきれない)
※ やり取りの文字が多くなるほど「トラブルになりやすい」。
※ メールでの意思疎通が難しい事を理解されていない。
※ お客様の求める完成度が高い。(よくある神経質な方はお断り・・・です)
※ 写真も無く色合いや、個体の説明をされたご依頼。
※ いくら「同意確認」を得ているとはゆえ後味が悪くなる様な内容。
※ 「御社・貴社・担当者様・お見積お願い」等の文字がある。
※ 時計用語・作業の認識が違っている。
※ あとの写真編集、解説書きが長くなる。(書きにくい)
※ 改造・ニコイチ(部品の良いとこ取り)・一部部品の入替の依頼。
※ 初めてのご依頼では無理なお預かり内容。
※ 電池交換自体は問題は無く「ついでの革ベルト交換」(作業が厄介なもの)
※ 綺麗さの度合い・キズの具合などの問い合わせ。
※ 受付前に一度、お電話くださいの依頼。(電話代の経費が出ません)
※ 申込前に電話を掛けてきて、一から詳細を聞かれる方。(詳しくはWebで)
※ 問合せへの返事で「会話が噛み合っていない」掛け違ったと感じたご依頼。
※ 上下関係をつけてから関わりたい方。(私にその意識が無く不愉快を与えます)
※ メールが戻る方。
※ 過去にトラブった症例に合致するご依頼。

上記すべてがお客様には何故それが理由か分からない内容かと。
これを感情論や、接客態度やマナーで言われると泥沼です。
自分の事を神経質やクレーマーとか思っている方など居ませんから。
しかし無意識に、そうなっており最初の段階で回避しておきます。
何度も両者納得いくまでメールや電話も使ってやり取りすれば解決出来るかもしれません。ただ「3.000円」ほどの売上でソコまでの手間を掛ける気は皆無です。手間を掛けるほど誤解が生じる危険性が増えるのが顔が見えない取引と思っております。ましてそこまでの利益も無い商売ですから「断ったほうが簡単」という事です。売上を伸ばす意志があるならあり得ない対応ですが、トラブル防止(お金・時間の損失抑止)が最優先です。

受付けるときは「良かれと思って」という善意ですが。
「善意が仇になるくらい情けないものは無い」。お断りするのはトラウマの回避とも言えます。

今回は「CASIO G-SHOCK DW-8200/1294 文字盤入替」のお預かりからの解説ですが。今回はいきなりご依頼では無く「お問い合わせ」からでした。

初めてお問い合わせします 私の希望は、フロッグマン2台の文字盤の入れ替えです 今の状況は、2台とも正常な状態です 御社で願いできませんでしょうか。

という事で正直受けたく無い内容ですから、しばらくは考えましたがトラブルの可能性は低いと判断し。即「お預かり了承」と致しました。内容からは上記記載の「お断りする理由」に分類されるご依頼ですが、そこは私の直感のみで判断です。その後のメールで。

鏡面ケースと黒ケースの文字盤を互いに入れ替えして頂きたいです。鏡面ケースをこれから使う予定です。黒ケースはスペアと考えいます。鏡面ケースは、電池交換もして、そのまま使える状態にしてもらいたです。黒のフタは電池無し、仮しめの状態でかまいません。

これで一旦受付けたご依頼にも関わらず「お断りメール」いたしました。写真でも見ていれば違った対応になったでしょうか。(写真でも文字盤の色の違いは分かりにくいですが)。電話で伝えてくる方もそうですが文字だけ、言葉だけで希望の作業が正確に伝わる事はありません。同業者ならまだしもメッセージを伝えると言う事は難しい事であると。わたしお医者に言っても余計な事は慎む習慣が付いております。

先の「CASIO G-SHOCK DW-8200/1294 文字盤入替」から来た方は既に、時計の写真を見ており、簡単に理解出来る内容と思われ、断る理由が分からないでしょう。「この解説で分からないのか?」とさえ思うでしょう。こちらとして、この段階では写真も見て居らず「フロッグマン2個・文字盤入替」だけで受けております。詳細を聞きたい気持ちもありますが余計な情報が入り「受付不可にしてしまっては」と聞きませんでした。変に情報量が多いと、こちらが勝手に「出来る作業内容で思い込んでしまう」という事があります。まして依頼が集中した時は余計に。簡単に作業イメージが湧く物だけ受けます。現物を見て吟味しないといけない内容はお断りしておけば無難となります。

ところが余計な情報が送られてくると違った作業イメージのママ、間違った思い込みで作業に入る。という危険信号が頭の中で働きます。今回も結果としてこのブログ書に手間が掛かることになりますが、いつか「断る理由」という解説も必要とは思って居たので良い機会と前向きには捉えます。

今回の場合は「鏡面ケース」の認識がお客様と、こちらで違っている可能性です。過去の経験から「文字盤」「ケース」の認識が互いに違ったまま話しを進め。お預かりしてからお断り(返送)もありました。DW8200は文字盤が鏡面も存在し、それなら入替は厄介?と脳裏をかすめたのです。お客様からは明確に「鏡面ケース」と書いてあるだろう!って所でしょうが、明確で無い人の方が多いのが現実「文字だけで明確に判断するのは危険なのです」。

「電池交換」という間違えようのない単語でも「届いたらソーラーだった」「分解修理と思ってたら洗浄だった」「バネ棒交換と思ったら割りピン交換だった」って事は良く有ります。

今回は、既に発送済みという事で受取り致しましたが、結果的には難なく作業も完了し。記載は明確であった訳です。ただ客様に取っては「気分良く終了」という訳には行かないでしょう。こうなることが分かってるのでお断りなのです。

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「最近でのお断り例」

※ 「ダリ・ウォッチ」
到着したら問題は無かった思われます。ところが「革ベルトの交換もご依頼」それもカラー物で。カラー物はトラブルの元。ましてダリは「センターラグ・タイプ」もあり得ますから希望カラーでセンターラグとなれば交換出来ない場合もあり、その説明が厄介で説明しましたが、やり取りの中で会話が、掛け違っている事に気付き、お断りしました。
(この、お断りの時にこの記事を書こうか迷った次第ですが、書くほどに”言い分けに”になる気がして止めたので良い機会かと。)

「良く有るお断り例」
※ 「防水機能・結露対策希望」
※ 「3.000円までの修理なのに”正確な見積もりを”」
※ 「G-SHOCK MRGの文字盤/黒ずみ除去」
※ 「2個の時計で”針のみの入替”」
※ 「機械時計の精度の微調整」「クォーツの誤差、微調整」
※ 「多機能ウォッチの一部機能の復帰」
※ 「針の脱着・文字盤のシミ取り等、文字盤に振れる作業」
※ 「自分で触ってバラバラになった」
※ 「キャパシタの交換」「革ベルト接着」「純正部品の注文」
※ 「メーカー修理のご依頼」(修理センター対応可能範囲のみ)
※ 「明らかに純正パーツの交換が必要なご依頼」

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言葉数、文字数ですが多い事=詳細な説明という事で。ハマれば後味が良くなり満足度が増します。しかし外れた場合は憎悪を積み重ねるだけです。それなら「素っ気ないやり取り」でニュートラルなお預かりとする方が長続きかと。それでもリピータになって頂ける方だけで商売するしか無いというスタンスです。そういう風に落ち着いたのは2004年からサイトを始め、危険な受付をネットで18年継続してきた結果、辿り着いた場所です。

スタッフが居れば解決する項目も多いですが置けません。独りで安全に対応出来る範囲でしか受付いたしません。写真の撮影と編集、梱包・発送、メールまで全て独りで行っており電池交換の何倍もの時間を要する受付です。(一番評価・考慮されない部分ですが)

基本は「最低限必要な情報のみ」がお勧めです。
何が必要で何が余計か?「それは時の運と言えるでしょう」。
リピータ様になると「過去の受付で普通にやり取りできた」という事が実績であり。妙に安心感さえもあります。その記事を見て初の方が申し込まれると「お断り対象」になります。

難しい事を言わず”同意確認”は外し。「毎度!」と気さくに受ければ簡単に依頼は3倍になります。その中の8割は「何ら問題が無いご依頼と推測します」。残りの2割だけが問題となるお預かりで、その2割で一月分の利益が吹っ飛びます。(大した利益でも無いと言う意味です)

これがネットの世界です。

またサイト10年前までは「手間の割には3.000円と安く設定」、足りずは広告費で補うスタイルでしたが5年前からは「広告費は”0”に近く」。実質は「手間から考えると電池交換メンテナンス5〜6.000円が希望です」。ただ実行すれば余計にクレームが増えるでしょうから、そういう訳にも行かず今ではリピータ様へのサービスの気持ちがメインでのお預かりです。最近では何時までも「住所と電話・メルアドを晒すのも怖くなってきており」そろそろ「何かあれば新規受付終了」を決断する切っ掛けにするか?と。待っている様なところもあり不要なトラブルは避けたいのです。(サイトを消すことは無いと思いますが。受付は終了しメルアドを知っている方のみのサービスに切替るかと。)

 

いわゆる「世間一般のお客様のニーズに私が付いて行けなくなった」。ジェネレーション・ギャップ、年を取ったという事です。そこを遠慮無く潰しに掛かるのがネットの恐ろしさでしょうか。自分が継続することを維持できる範囲での受付です、思考は一般の商売のレベルからは逸脱しております。

「断る理由」の解説(このページ)自体が余計な事で有る。そういう方の為の解説です。
2004年からですが、2年に一度はこのメッセージを載せておかないと。そう思っております。
「それが客に向かっての態度か?」ということになるのでしょうが。廃業寸前の業者には効き目は無い!

「まとめ」

交換パーツが用意できない状態で受付する事が限界を超えております。もう営業することが非常識レベルの営業です。だから看板を背負うお店は受付を断念するしか無いでしょう。世の中ソーラーの時代でもありますからね。でも電池交換で困っている方が居るので。喜んで頂ける方が居るので受けております。コロナ禍がこの環境で生計を立てる事を諦めさせました。別に収入減を用意しての営業です。あとは皆さん次第で転がる方へ転べば良いという、守る看板が無いからこそ可能な心構え。わたしはまだ60才、ホームページの営業に経費は掛からず、健康でさえあれば継続は可能と、コロナ禍が割り切る決断をくれましたので、気軽なものです。