CITIZEN腕時計シチズンCOSMOTRON電子ウォッチの電池交換修理
これが電子腕時計のムーブメントです。大きな写真でどうぞ!どうですか?”テンプ”があるのに”電池”が入っております。機械式腕時計の様でクォーツでもない。機械式腕時計の構造をゼンマイの変わりに電池でエネルギーを与えます。精度はもちろん機械式腕時計並。クォーツとの違いが分かりますか?
ムーブメントの拡大写真です。20年放置されていた腕時計ですから、かなり錆びております。このままでは錆がムーブメントに入りますから電池交換の前にムーブメントを外してケースを掃除します。
先ずパッキンを外しますが、これも交換するしか無いでしょう。
このオシドリを押さえながら竜頭を引いて竜頭を抜きます。
文字盤には”ELECTRONIC”つまり電子ウォッチを意味します。
マークがキラリ。文字盤の焼けは無く綺麗な状態です。
ムーブメントを取り出すと内部は結構綺麗です。パッキンの重要性が良く分かりますね。
ここまで掃除するのに20分掛かりました。これで動かなければ無駄な作業になりますね。
竜頭の形が変わっておりますが、詳しい方ならこの形状の意味が分かりますね。
"CITIZEN”マークがありますからオリジナルパーツ。
ムーブメントをケースに戻して電池交換をします。これがテンプの拡大。”ヒゲゼンマイ”が見えますが綺麗なものです。
次に電池を押さえているネジを外します。
「SR44SW」酸化銀電池では一番大きなものです。クォーツ腕時計の初期のタイプも皆この電池が使われていました。これだけ大きな電池でも”1年”しか動きません。当時はそれが普通でした。 この電池「313」と書いてありますが”SR303SW”の事です。
電池の格納部は綺麗です。さぁ動くか?20年も放置されていましたから、もちろん油ぎれ状態です。OHをお勧めしましたが、持ち主は電子ウォッチと言うことも理解されておりません。電池交換だけで動くなら使うけどって事です。メンテナンスすれば保存価値のある腕時計ですが、もったいない。
完全にムーブメントは乾燥しております。
これが入っていた電池です。右が2005年現在、一番汎用性の高い”SR621SW”の電池です。左の電池と比べると倍以上大きさが違おります。
今度は電池を横から見てみます。厚みも今のものとは違うのが分かります。今(2005年)では、セイコーやシチズンの高級機ではこの右側の電池の更に半分の大きさの電池が使われております。そのサイズの電池でも”2年”作動します。腕時計でもクォーツの進化は”電池の進化”なしには語れない訳です。
どうですか!新しい電池を入れて、まだネジも留めておりません。でもテンプが”20年の眠り”から覚めて回転しだしました! 当時のムーブの作りが、いかにしっかりしたものであるか良く分かりますね。
テンプが動きだすと綺麗さが増して見えます。
ネジをしっかり留めると実にスムーズな動き。1時間動作させてから”検定器”に掛けると何と”日差5秒!”(☆。☆)驚きの精度です。
後はフタを閉めて時間を合わせます。
曜日が日焼けしておりますが、この程度は仕方がないでしょう。
先ほどの竜頭ですが普通は先端が尖っておりますが、このタイプ平らになっております。これは何故かといえばカレンダーが”1段引き”の早送りではなく。”プッシュで早送り”の為です。よって”竜頭は1段引き”操作で針が回ります。そこで、おや?と思った方は鋭い!カレンダーには”曜日と日付”があります。では1段引きで針回しなら、どうやって”曜日と日付”を切り換える?
これは”12時側”を上にしてから竜頭をプッシュで曜日の切り換え。
6時側を上にして竜頭のプッシュで”日付”の切り換えでした。この辺りに、まだ機械式腕時計の機能が残っております。腕時計の進化の過程が見える時計です。
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シチズン腕時計電池交換トップへ 。2005年9月(記述)/2017.9.4修正