時計店の標準時計/腕時計笑い話

これは今、20代の方にはピンと来ないかもしれませんが。昔・・・と言っても1970年頃迄か。どこの時計屋にも表から見える位置に大きな「柱時計」が、ありました。置き時計(今で言うホールクロック)の所もありますが。

注※ 昔は「掛け時計」「目覚時計」ではなくて「柱時計」「枕時計」と読んでいた時代があったそうな。

ボクも時計屋のセガレですから、小さい頃いつもその時計の下を通って居間から売り場に出て、学校に通ったものです。

これは時計店の「命の時間」。当時は当然「ゼンマイ時計」です。時計屋の一日は「掃除」や「道具の手入れ」それよりも先にこの「標準時計のゼンマイを巻く」。これが一日の始まりでした。

昔ならどこの家庭でも「巻き当番」が居たものですね。(何たって30時間で止まる訳ですから)。それも「7日巻き」から「30日巻き」へと進化していって、ついには「電池式」に、それにつれて「巻き当番」も今では知らない人も要る時代に。

これが時計店の時計となると「いつ、誰が見ても時間が合っている」。でないと店の信用問題です。
よってボクの親父も毎日巻いていましたが。絶対にボクに巻かしてくれた事は無かったですね〜。
「大人になったら巻かしてあげる」って言葉を楽しみにしていましたが、大人に成る頃にはもう電池式に替わっていましたから。

何せゼンマイ時計。当然、親父が毎日巻いても、ラジオの時報と誤差が出ます。そこは時計屋ですから微調整しながら毎朝の日課でした。

何年に一度は降ろしてきて分解もしていましたが、降ろしてみるとその大きさに驚いたものです。ボクの姉などはその分解掃除中は機械を取り出しますので、空になった時計の中に入っていたのを見つかって、かなり叱られた記憶があるそうです。

ボクの思い出は、丁度小学の4年生くらいだったかなぁ。いつも下を潜り抜けて通っていたのに、ある日突然、潜り抜けようとしたら「頭にガツン!」。子供ですから3日間くらいは毎日、同じ事の繰り返し。

4日目には、ついにその現場を親父に見つかって「お前か〜!毎日、時計を歪めていたのわ!。でもそれだけ背が伸びてきんやなぁ」と・・・ 感慨深げに。

当然ですよね。ゼンマイ時計ですから精度は姿勢差が命。それに毎日調整しているのに。ぱっと見たら歪んでぶら下がっている訳ですから。(;^_^A

だからボクは今でもあの大きな時計の「底の形状」は今でも鮮明に覚えていますね。(変な話ですが)

道行く人は、時計店の前を通ると自分の時計を合わせていた時代があったらしいです。

それが今。時計は狂わないのが当たり前の時代になった訳で。時計店から標準時計が無くなるのは自然な流れなのですね〜。

そういえばあの「大きな標準時計」は今どこへ・・・・

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