吝嗇家(りんしょくか)

2004年11月24日

「吝嗇家」言わずと知れた”ケチ”ですね。関西では「こまい人」とか「せこいやっちゃなぁ」とも申します。

昨日、そんなおじいさんがやって来ます。”田んぼ”さえない地域なのに、いつも麦わら帽子、しかも顎ひもしっかり!見た目ヨレヨレ、一見浮浪者?って風貌。
ご近所でも有名なせこいおじいさん。またかなりの短気です。年金も満額で貰える年代の方ですし、ちゃんとした一軒家にお一人でお住まい 。趣味もなく決してお金に困っている方では無いという評判。私の店でも過去に何度か時計をお買いあげ頂きました。
前回購入時、5年前のお話から・・・

「にいちゃん、一番安い時計はどんやねん」(何処かの訛りが残っています)

「そうですね〜、これが革ベルトモデルで¥3.000ですが」
(必ず値切りますが応じませんね。)

「んまにぃ、しゃうないわな。そしたらこれ買うけど、今使ってるバンドを、この買う時計に付けてくれるか」

「はっ?。今お使いの・・・」と見るとボロボロの革ベルトの時計を付けています。

「そんでやがな、時計はもう動かん言うて、さっき百貨店で言われて来たんや。けんどもバンドは使えるがな、そんでもって付け換えてくれるんやったら新品の時計買うわ。」

「いやぁ〜、付け換えは出来ますが・・・折角の新品の時計が台無しになりますよ」
ぎっ!と必死の形相に変わります。(百貨店でも同じ顔したんだろうな・・)

「何、言うてるねん!あんたら若いから時計の事何にも知ってないけどな、皮いうたら一度外して使わん様になったら、今度、使う時はパリパリになって使われへんのや。このバンドまだ切れて無いしな、このまま続けて使ったら、まだ半年は使えるんや、それにな。そっちの買う時計のバンドは新品やから置いといても、そんなに痛まへんのや。バンドの長持ちのさせ方も知らんと、よう時計屋しとうは 」

呆〜〜然!ボロボロのバンド・・・まだ半年も・・・・

「わかりました。では付け換えいたしましょう」

「付け換えましょう言うて、まさか金取る気やないやろな?取るんやったら買わんで」

「本来は頂きますが、今回は特別に!要らないですよ」

「要らないってな、ほんならこのバンドが切れて、新品のベルトに戻す時は?」

「(〇o〇)・・・・・・頂きます!」
(これで買わないで帰るだろうと思っていると)

「さっき百貨店でな、そない言うたら、付け換えは¥500要るって言いよったんや。1万円もする時計買う言うてるのにな。1万円やで!まぁ、それに比べたら、この店の方がましか、ほんなら買うわ」
と言うことでお買いあげ・・・

それから5年の歳月が過ぎました・・・そして昨日。
スーパーで事務用品を選んでレジに行くと、そのおじさんとバッタリ!相変わらず「麦わら、顎ひもしっかり!」なにやら大きな声で店員と話していますが、けんか腰。何を怒っているのかと聞いていると、どうやらスーパーは売り出し期間で「割引価格よりも更に1割引」のセール中。そこで¥500の商品の購入について、店の「100円引き券」との併用でもめています。つまりこうです。

(¥500−¥100)×1割引=¥360
(¥500×1割引)−¥100=¥350  (わかりますか?)

「何で、引いてから割引くんや!!。割引いてから引かんかい!10円違うやろ」店員も店員
「 割引価格から更に1割引中ですから、100円引いて1割引き。これで正しいです」
「ほんなら、1割引してもらってからワシが、この 100円引の券出したらどないなるねん、正直に先に出した者が損や言うことか!」

やってるわな〜、じいさん。と思いながら、そのまま帰ろうとすると。

「お〜い!あんた、時計屋の兄ちゃんやんかぁ〜!」

「あっ、あぁ、ど、どうも・・・」

「どうもやあらへん!後で電池交換に行くでぇ〜」

「ど、ど、どうぞ・・・」(来るんかいなぁ〜!その勢いで・・)その後1時間でやって来ます。
「不思議なもんやがなぁ、電池交換は、あんたとこよりも100円安い所が出来たから、そっちに行こう思ってたんやけどな、あんな所で会うた言うのも、これ縁や、縁は大事にしてここに来な、しゃぁ〜ないわ」
(変な理屈だが・・・それには裏が)

ふと見ると5年前にお買いあげの腕時計。ベルトはと見ると5年前とは違ったボロボロのバンドが付いています。

「 いや〜、あの時のバンドも流石に5年も経つと痛んできましたね〜、何処かで換えてもらえましたか?」

「違うで、そのバンドは。あの時のバンドは、ここに持って来たがな。(と、手にはあの時の新品のベルト)あの時、あんた交換にお金要る言よったけんども、今日は電池交換のついでやから
サービスで付けてくれてもええやろ?」(参りました)

「わかりました。うちで売ったベルトですし今回も特別に!サービスで付け換えますわ」

「そらぁ〜そうや、それくらいの事して貰わなな。ここへ来た意味がないがな」
¬_¬)(それも縁や、ってその意味だったのね)

「しかし、ご主人なんですね〜、あのバンドまだお使いでしたかぁ?」

「あんた、時計屋やのにほんま、何も知らんなぁ。あんな痛んだ物が5年も持つかいな」

「では、この今付いてる痛んだベルトは・・・?」

「それな、前に合鍵作りに行ったんや、その時にな、横の客がバンド換えて古いの要らん言うて帰りよったからタダで付けてもらったんや。それも流石に2年経ったらあかんわ」
(☆。☆)凄っ!

「そっ、そ〜ですかぁ〜・・・でも、この電池交換ですが、この時計2年寿命の電池ですが・・もう5年経ってますよね・・・」

まさか、これも何処かでタダで・・・とは、聞けない、聞けない(;^_^A


「あんたほんまに時計屋か?何も知らんなぁ〜! 呆れるわ。5年くらい持つがな」

「はっ??。いや〜幾ら何でも2年の物が2年半持ったのは聞いた事がありますが・・・5年は持つはずが・・・ないです」
(何言ってんだ、このじいさんは)

「持ってるがな、あれから初めての電池換えやで」

「では、しばらく使わない期間があって止めていたのですね?」

「毎日、使っとるがな。おかしな事聞くなぁ、あんたは」

「いやぁ〜それでは、いくなんでも・・無理ですわ。5年は持ちませんよぉ」

「あんた、ほん〜まに!時計の事知らんなぁ〜。呆れるは!」
何をじいさんムキになってるのだと思いましたが、それは事実・・・だった!

 

 

「あんたな、教えたるわ。時計言うたらな。竜頭を引いたら時計は止まるんや!止まったら電池は食わへんのや。
そんでな、使うときだけ竜頭を押し込むんや。外したら又、引っぱって止めるんや。そんなこと横着しよったら、そら2年しか持たへんわいな。どや勉強なったやろ!」

 

確かに勉強になりましたが・・・まさか・・そこまで・・・
通りで竜頭がグラグラな訳だ・・・

私はフリーズ状態(〇o〇;)これ以上の会話は再起動が必要・・

PS

ちなみに話によると「テレビのリモコン」「目覚まし」まで!使わない時は電池を外しておくそうです。頭、ふらぁ〜〜。再起動不可能・・・・・・強制終了。

笑って、では無いですが逆にこんな方も・・こちら

一気読み次は「急かすな!」へ。

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