ガラス換え
「2005年5月24日」
朝、開店の準備をしていると70代くらいと思われるおじいさんがやって来ます。
「まだ店は開いておりませんか?」
「いえいえ、結構ですよ。で、ご用件は?」
「ガラス換えてほしいのやけど」
時計は5000円くらいの雑貨ウォッチ。
「それでは、お預かりになりますので、こちらにお名前を」
「えっ、すぐに換えてよ。なんで預けるんや」
「はぁ、ガラスの交換は接着されているのを外してから、また新しいガラスを接着しますので、すぐには無理ですが」
「 そんな事無いわ、時計のガラスってその場で換えるものやで」
※ 確かに昔(1970年頃迄)は、時計のガラスはプラスチックでした。それに当時は接着はされている訳でもなく、専用の工具で摘んで外していましたし、大きさも大体決まっていました。もう今の時代、クォーツの時計でプラスチックでもない”ガラス”の交換は職人さんが居るところでも1日はお預かりですね。
「あの〜、最近は昔のガラスの様に摘んで外してって物ではないのですが」
「そんな事ないわ。こないだ換えた時はすぐにしてくれたで。」
「そんなはずは無いのですが”こないだ”というのは一体・・・何時・・?」
「そりゃぁ・・・息子が高校の時やったかな・・・?」
「あの〜、息子さんは今、おいくつで?」
「ええ・・・50は超えた・・・って事は・・・」
「もう30年以上になるのでは・・・」
「30年いうてこないだ言うか、前に換えた時はすぐにやってくれたで。それに確か300円くらいやったで」
「300円(☆。☆)、あの〜今はガラスって3000円〜4000円はしますが」
「えっ、こないだ換えとき300円で、次に来たら10倍になるんかいな」
だからじいいさん。今迄タイムカプセルにでも入って
時が止まっていたんかいな。( ̄○ ̄)
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