セール中のどさくさ3「ショート・ショート」
「2006年7月1日」
もう過去のダイエーでの笑い話ネタは今回が最後になりそうです。ほんと色々ありましたが、やはり人が集まる所には色んな事が起こりえます。
いよいよ店じまいセールも最終日、どさくさに紛れて色んな人が居ました。
皆さん最終日は”投げ売り”を狙って来る人ばかり。今回はショート・ショートでご紹介しましょう。
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「あらぁ、これだけになっちゃったの?何か残り物で安いのない?」
「これなんか、如何でしょう。もう更に割引価格から半額で良いですよ」
「でもね・・・これの色違いが欲しいのよ」
「そうですね・・あれば良いのですが、もう最終日で残った物のみですから」
「だったら取り寄せてよ」
店じまいですから現品限りです!
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また、他にも。普段まったく顔を見ない初めての方が来られます。何でも何処かで3階に時計屋があって、そこが店じまいセールしてると聞いて飛んで来たらしい。
そういう状況ですから普段の当店の商品構成などは分かりません。私の店は国産の腕時計ばかりでブランドウォッチや雑貨ウォッチは扱っておりません。
「あの店じまいって、もう閉めるのですか?」
「ハイ、もう廃業でして在庫処分です」
「ブランドウォッチは何処?」
「いやぁ、ブランドウォッチは扱って無いのですが」
「売れちゃったの?」
「いえ、元々取り扱って無いのですが」
「でも投げ売りで安いのでしょう?」
「安いですが・・・ブランドは・・・」
「取り寄せて頂けますか?」
店じまいですから現品限りです!
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また、お客様が途切れないので中々食事に行けません。先ほどからもう1時間くらいサングラスを掛けたり外したり。
購入意志があるのか無いのか?。これ以上待っていてもキリがない。
「あの〜お決まりでしょうか?」
「今、迷ってるんですけどね」
「ゆっくり選んで頂いて良いのですが、実は私まだ昼食を済ませていないもので。決めて頂け無いと食事に行けないのですよ」
「ああ、なんだ。だったら先に食事行って来て。ゆっくり悩んでるから!」(v_v)
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または電池交換にご来店されます。
「これ電池交換してか」
「ハイ、少々お待ち下さいね」
と、出来てからお渡し。
「ハイ、お待たせしました。1000円です」
「えっ!1000円?。店じまいやから半額違うの!」
「いえいえ、そこまでしてたら忙し過ぎてパニックになります。」
「何や!セール言うから聞いて来たのに。」
「申し訳ござおりません。セールでも電池は1000円です」
「ほなええわ!電池、抜いといて!」
勝手に値段を決めないで下さい。(v_v)
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ある、お婆さんが店の商品のサングラスを掛けて(8カーブの顔を覆う様なゴーグルっぽいサングラス)私の目の前にやって来ます。何かお婆ちゃんが今風のサングラス掛けると滑稽と言うか怖いというか?
「お兄ちゃん、暑いんやけど」
「ほんと、今日は暑いですねぇ。まだエアコンも効いて無いですから」
「ほんと暑いわ。何とかならない?」
「これだけはねぇ、各店にクーラーのスイッチはないのでねぇ」
「へぇ・・このサングラス。クーラーのスイッチがあるの?」
ゴーグル風なので風通しが悪い?と聞いていた様だ(v_v)
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目覚ましをお買いあげ頂きまして。会計も終わり、いつもの接客用語。
「ありがとう御座いました。また何かありましたら宜しくお願いいたします。」
「また、って・・・お店無くなるのやないの?」
確かに、そうでしたね(v_v)
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腕時計をお買いあに来店、”もう最後でしょう”値段交渉に入られます。
「そうですね・・・かなり値引きはさせて頂いてますが、もう最後ですし端数は切っておきましょう!」
「端数って・・・もっと安くならないの?でもね・・、ここ無くなるんやてね・・・残念ね。色々便利やったのに。時計の事言うたら、ここばっかりで助かっていたのに。主人の腕時計もここやし、娘の目覚ましも買ったし、電池交換なんか何回来たかわからないくらいよ」
ハッキリ言って25年ここで、店をしておりますが始めて見る顔です!
スーパーの店だから、どうせ店員は入れ替わりが激しいので分からないと思ってるのでしょう。もちろん値引きには応じませんでした。(v_v;)
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店の片隅には、捨てるには勿体ない什器やディスプレーを集めて。
「ご入り用の方はご自由にお持ち帰りください」と。勿論、買うとすれば何万円の物も多々あります。
「あの・・これ頂いて良いのですか?」
「ハイ、もう最後ですし捨てるには費用も掛かりますので、どうぞ!」
「いやぁ〜でも頂く訳にも行かないわぁ」
「良いですいいです、どうぞ!」
「でも買ったら高いでしょう?」
「そりゃぁ2万円くらいはしますか」
「それは悪いわぁ・・・」
こちらとしては、接客に追われてますから”兎に角早く持って帰ってくれ!”って心境ですか。
「張り紙もしてますように”ご自由に”ですから、どうぞ!」
「いや・・・いくらか取って頂かないと・・・」
「それは、ほんと良いですからどうぞ!!!」
「そんな訳には・・・」
ええい、もう邪魔くさい。
「だったら何か買って下さいよ」
「買う物は無いわ!ほな遠慮無く!」
結局は、ずうずしいだけです(v_v)
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これは最終日では無かったですが、セール中のある日。良く来て頂く綺麗なお姉様お二人。
店じまいでメガネの特価を買って頂けました。余りにも安いので友人を連れての来店。そして、あれやこれやと選んでおられました。
お二人で「どうこれ似合う?」「そっちの方が良いよ」などなど。勿論私も評価などをさせて頂きながら。
でも中々、商品が決まりません。そして閉店時間が過ぎます。まだ明日の更新準備もしていないし、レジも締めていないし。ダイエーへ入金を持って行く時間もあるし・・・焦って来ます。
良く来て頂く方ですし。
「あの、そのフレーム5本ほど持って帰ってお家でゆっくり選んで頂いて結構ですよ。慌てて決めて後悔されるのも何ですし」
「いやぁ、それは悪いわ」
「良いの、良いのご遠慮なく!」
「ちょっとぉ、お兄さん。さっき瞬間に嫌な顔しなかった?」
「いえいえい、飛んでも」
「そうかな・・・」
「分かりますぅ?実はもう!
閉店時間ですからぁ〜!
「あっ!そうかぁ、ゴメンゴメン。じゃ〜そうさせて貰うわ。明日には持って来るからね」
「どういたしまして!はぁ、やっと閉められますわ」
「ちょと!どうでも良いけど
これって笑い話のネタにされるの?」
「そうですね・・・ネタにするなら
オチとして・・・・・
”だって閉店時間ですからぁ〜!」
に、なると思おりますよ!見てますか?ちゃっかり頂き!d(^_^)
一気読み、次は「父の感覚」