腕時計の進み

「2006年9月5日」 

今やダイエーのテナントから実家の個人商店に戻ったので笑い話のネタが少ないのが玉に瑕であります。これは客数が少ないだけでは無く、親父の顧客では笑い話ネタになるような面白い人が居ない為もあります。

しかし、先日はダイエーの頃を思い出す様な方の来店。60代の夫婦でお車で来店。普通は電池交換のみなら奥さんだけが入ってこられるパターンですがご主人も一緒に。

奥さんの鞄から出てきたのはセイコーの2万クラスの腕時計ですが、もう20年は使っているか?傷だらけ。しかもケースのくすみ具合からは2年は引き出しに放置か?という状態。やはり動きませんでした。

次にシチズン”エクシードレディース”こちらはキズこそは少ないものの、こちらも長期で放置された感じで、やはり動かず。

「どちらもダメみたいですね・・・」

「そう・・・仕方が無いわね。安い腕時計はない?」

「こちらなどが9800円でお買い頃ですが」

「よぉ〜!言うわぁ〜そんなに出さなくて1000円でも時間合うでしょう」

「まぁ、精度は一緒ですがね。でも物はまったく違いますよ、それに1000円の腕時計は置いてないですわ」

「だったら、これなど如何でしょうか。FREE WAYと書いていますがシチズンの商品でして2400円ですが、1.000円の腕時計とは物が違います。」

それを聞いたご主人、何を思ったかシチズンとセイコーの蘊蓄を語り出します、それも腕時計の蘊蓄ではなくて”株”の話。延々と10分くらい、”あれがセイコーのこういう時期に500万で買ったとか、こういう事があった時に600万で売ったとか”さすがに奥さんも割って入って。

「腕時計に2.000円も出せないわ。」

「でも電池交換2つ分ですから、それに今のお持ちの時計はもっと高いですよ。」

「でも友達が1.000円でも十分良いって言っていたわよ。」

「ご主人、その株で儲けたお金奥さんに回してあげてくださいよ。2.400円だけですから」

と、お買いあげ。

それから3日後、また夫婦で来店されます。今度はご主人が必死に喋りだします。何でも先日購入の腕時計が1分進むので調整して欲しいと。クォーツですから1分進むと言うのはおかしな話。

「でも、見て〜な。3日で今3分進んでるやろ」

「これは元々3分進んでいただけではないですか?。私もお渡しするときに良く見てはいなかったですが。」

「ほな何か、ワシがウソでも言ってると言うんか」

「そうは言いませんが奥さんの腕時計では?奥さん。どうですか?1日に1分づつ進みます?」

「そんなん、良くみてないわ」

奥さんが見ていないのに、ご主人が良くみている?無いとは言えない話ですが辻褄が合いません。親父は横から出てきて、その腕時計をクォーツテスターに掛けて精度を見て。

「ご主人、これ月差10秒で動いていますから問題無いですよ」と睨んでます。

それでもご主人は如何に、腕時計がおかしいか語ろうとするのですが・・・。私としては良くあるパターン。こういう人は”腕時計を1.000円で買う事”。それに拘ってしまっています。2400円で買ったが、あれからホームセンターなどで1.000円の腕時計を見つけて後悔してるのでは。

親父は何とか返品を阻止するのに必死ですが。こういうの話聞いて相手にするだけ時間の無駄。結局は返品になります。

親父とご主人が言い合っている間に、私は奥さんに”ニッコリ笑顔で近づいて”。

「奥さん(ニコッ(*^^)。」私、軽くうなずいて。「返品・・・取りましょうかニッコ!(*^^)」

間髪を入れずに要しておいた2400円を笑顔で奥さんの前に置きます。

ご主人慌てますが奥さんの表情はニッコリになって。

「そうね!そうして頂こうかしら。さぁ、お父さん帰るわよ」

 

一発芸で片づけました!(*^^)v

親父・・呆然・・・。この技はダイエーに居た頃、一度使ってみたかったのですが下手すればダイエーに迷惑が掛かります。でも今は、そういう制約が無いですからね。d(^_^)

 

一気読み、次は「もの忘れ」