G-SHOCK DW6300/1084 電池交換メンテナンス&ガラスの曇り取り
2017.9.1お預かりのG-SHOCK DW6300/1084 電池交換メンテナンスです。ガラスの曇り取りもご依頼ですが外せるかどうか?
プッシュボタンの動きもチェックして。
遊び革の状態もチェックします。
ベルトを外さないと裏蓋が開けられない構造ですから外します。
ラグ部の汚れもチェックしますが綺麗な状態。
ベゼル・カバーのネジも洗浄します。
ベゼル・カバーの裏側も綺麗な状態。これは洗浄しません、洗浄すると加水分解を進めるでしょう。
外す時にプッシュボタンの一箇所が切れました。
こうするとガラスの曇りが目立ちます。
裏蓋の裏側もチェックして。
裏蓋を開けるとスペーサーが電池を覆っています。
これがムーブメントで。
作業の前に電池を入れて動作確認。
これが取り出した液晶&ムーブメント。
こちらは液晶側。
ケースの内側もチェックして。
ガラスを外す事が出来ました。
黒い物の上に置けばいかに曇っていたかがわかります。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースに文字盤を戻して。
ガラスを装着。脱着の度にギシギシと危険な音ががしますから冷や汗もの。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
ガラスの曇りもスッキリ。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ベゼル・カバーを取り付けて。
ネジも洗浄して綺麗になりました。
ウレタン・バンドは洗浄して綺麗になったところで。
バンドを取り付け電池交換メンテナンス&ガラスの曇り完了です。
さて到着してからお連絡があり「ガラスに汚れの拭き忘れが有る」というご指摘。
数日後、送り返されてきました。
○の箇所ですがわたしも発送に気がついておりましたが。
洗浄によって目立つようになっただけかと。
確認するにも、再度「ガラスの脱着」という作業はお客様にとってもリスク大。
よってそのまま発送致しましたが。
発送に前に撮った写真からして、この位置に筋は無かったと。
到着してガラスの表から触ってみても引っかかりが無く。どうみても裏側です。
裏側にキズが付くわけがなく、では一体キズは何?
ムーブメント取り出しで爪楊枝で探ってみると、粘着質の糊の様なものが確認されます。
となると「割れたら終わり」という危険なガラスの脱着を再度、行うしかありません。
黒い物の上に置けば分かりやすいですが。シールの糊なのでアルコールで拭けば綺麗になります。ただ、周辺の英字が書かれた黒い帯。これはプリント(塗装)ですからアルコールで拭くと消えます。
裏側からみればこうなります。糊は除去して確認してみます。
肉眼では綺麗になりましたがキズミで見れば、積年のガラス表面のシミなどあり。
これを気にし出すとエンドレスの作業に突き進み。
そのうちに表面をキズ付けたり、塗装を剥がれたり。
不具合も無く綺麗に出来ても、お客様には評価されない部分です。
この粘着質の糊は何か?恐らくは黒い文字盤です。
この文字盤ですがプラスチックです。しかし表面は触れる必ずかなりの粘着質になっており。
(新品の時はどうか分かりませんが)
触れると指紋も付きます。もちろん拭き取りも出来ません。
はえ取り紙の様ですから毛羽が飛ぶと付着して取れません。
ましてエアコンが動いているこの季節は特に。
よって素早く作業を終える必要があります。
脱着でガラス破損のリスク、文字盤の取扱に気を遣います。
よって時計屋が関わりたく無い理由はそこにあります。
外したパーツを戻して。
ぱっと見は問題無いようです。
ご指摘の箇所の「筋状の粘着物は綺麗に」。
しかし、キズミで見ればまだ問題点はあります。先にも書いた素早く作業を終える必要がある事と、外せば新たな毛羽などが付く可能性もあります。
お客様にはその事情が分かりませんし「こちらのミス」という事でサイト開設当初。
何度も拭き直し依頼があり困りました。電池交換代金など何度もの送料で吹っ飛びます。
お客様にしても「何度、送料を使わせるのか」と思っておられるでしょう。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。