電池交換では不動だった/G-SHOCK AW-500/380
2017.5.10お預かりの電池交換では不動だった/G-SHOCK AW-500/380です。
遊び革の状態もチェックします。
ベルトを外さないと裏蓋が開けられない構造ですから外しますがバネ棒が錆び付いて外せません。
そこでベゼル・カバーを外して汚れもチェックします。
このモデルのこの年代のものは加水分解が進み、外せば割れてしまうものが多い中。
弾力もあり状態は良いです。
全く未使用の物も脆いですが、適度に皮脂がついて油分を含んでおります。
ベゼル・カバーを外してバネ棒を触りやすくしますが伸縮しませんから外せない。
反対側も同じ状態です。こうなればベルトごと洗浄するしかありません。
ウレタン・バンドの加水分解が始めていればお手上げですが。
これでケースとスクリューバック用バイスに固定は可能。
スクリューバックを回すとパッキンがはみ出て来ますので、かなり錆びている証拠。
裏蓋の裏側もチェックして。パッキンは切れているかと思いましたが
かなり伸びているだけでした。
裏蓋を開けるとスペーサーが電池を覆っております。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。ムーブメント全体がかなり湿気て乾燥した痕跡があります。
そして電池の液漏れが見て取れますので動かないでしょう。
これだけの湿気でサビは浮いておらず。
これならガラスが曇った時に「ムーブメント取り出しで乾燥」をしていれば
こうはならなかったでしょう。
電池の押さえを外して。
電池格納部をチェクします。水滴がついております。
拭き取り程度では不動ですから。
ムーブメント取り出しで、一昼夜乾燥させます。しかし翌日電池を入れてリセットしても不動でした。
ケースの内側もチェックして。
外したパーツを戻していき。パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
外したパーツを戻し。
ベゼル・カバーのネジは洗浄しておきました。
残念ながら返却となります。
このモデルは最近、人気が出ているようですから。修理は不可のジャンルですが。
不動であってもケースやベゼル・カバー・ウレタン・バンドは使えますので
「ジャンク品」としてオークション出品等でも需要はあるでしょう。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
既製品で同サイズのパッキンが入手出来るという理由です。
他の腕時計も電池交換の度に必ずパッキン交換が必要ですが、行っておりません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。