SEIKO WIRED 7T62-0A50 ガラス交換と電池交換メンテナンス
2018.4.17お預かりのSEIKO WIRED 7T62-0A50 ガラス交換と電池交換メンテナンスです。
最初は、4/6のご依頼で「ガラス交換希望、見積もり要」という事でお断りいたしました。
私の発想として「防水時計のガラス交換」「見積もり次第で」というのはメーカーと同じような
「時計屋さんは専門店という事で専用ガラスで、防水テストも完璧を求めておられる」というのが判断で。お断りしておいた方が無難となります。
次に「ガラス交換は諦めるとして、パッキンの交換くらいは対応出来るでしょう」という再、お申し込み。
これも同じでお断りいたしました。
そして「要は洗浄が希望で綺麗になればOK」と言う事で。
それなら受けても良いか!と送って頂きました。
なるべくはお断りしたく無いですが過去のクレーム例と、最近の収益事情から
慎重になるのは仕方が無いのです。「更に詳しくはこちらで」
話しは戻って「ガラス交換は無しで、電池交換&洗浄」のみという事で、到着した時計を見てみます。
ガラスの形状は「正円」ですから既製品でも対応出来ます。
そして3時位置に「ガラスの欠け」がありますから、このままでは防水機能が危険。
「私的な理由で、交換する条件は整った」ので、交換しようと思いますが
問題は、ガラスパッキンの替えが無く、交換するとなれば接着するしか無い。
ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
一見はは綺麗ですが細部には汚れが溜まっており洗浄する事で綺麗になるでしょう。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になりました。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
ラグ部が「Cリングピン」ですから外します。このCリングピンも洗浄します。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
作業の前に電池を入れて動作確認。電池格納部をチェクします。
動作確認できたところで先に進めます。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
目盛リングがあるのでそのまま洗浄が出来ません。
プッシュボタンを外さないと抜けないか?と思いましたが目盛リングのみ外せました。
ケースの内側もチェックして。
3時位置の欠けた部分ですが隙間が空いていなければ良いですが。
裏側から指で押せば外れました。そしてプラスチック・パッキンによる圧入と思っていたら接着です。
接着ならガラスを替えても留められます。
プラスチックのパッキンならそれが耐えに純正品を入手するしか無くお手上げですが。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
ガラスの入荷を待って接着します。
ガラスをセットして接着します。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻します。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
ブレスも洗浄して綺麗になりました。
Cリングピンやパイプも洗浄して綺麗に。
ガラスの傷もスッキリしたところで。
ガラスもパッキンも純正品ではありませんが電池交換メンテナンス&ガラス交換完了です。
一旦は、お断りしたお預かりでしたが、結局はご希望の「電池交換&ガラス交換」完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。