CREDOR 8J82-6A00 クレドール電池交換メンテナンス
2022.10.11お預かりのCREDOR 8J82-6A00 クレドール電池交換メンテナンスです。
ベゼル周辺のサビや、ブレスの駒の隙間にもサビが凄く。
裏蓋周りも同じで「これは動くのか?」といった状態です。ラグ部のバネ棒が錆びて盛り上がり弓環からはみ出しております。
バックルを外してみますがこつらもサビ。
先ずはスクリューバックを回しますが廻りません。潤滑油を染みこませてしばらく置いてチャレンジですがビクともしない。
2時間掛かって、工具が滑りながらやっと回せました。パッキンが溶けて接着剤の役目をしていた様です。
このパッキンはもう使い物にはなりません。
裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。
これがムーブメントですが意外にムーブメントには湿気が及んでいない。湿気か痕跡はありますが。
ムーブメント拡大。
電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。なんと動きました!それでは洗浄作業に入ります。
巻芯のサビは落としてから洗浄します。
竜頭パイプも、チェックしますが洗浄するしかないでしょう。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
目盛リングがあるので外します。
ケースの内側もチェックしますがギリギリ、ムーブメントにはおよぶ手前で止まっております。
ただサビによるダメージは大きく凸凹が目立ちます。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ました。ただ弓環から覗くバネ棒のサビが落ちません。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
洗浄して綺麗になりましたが弓環と。
ベゼルの隙間にはサビが残りますから削り出します。
駒の隙間も同じく、洗浄しては削ってを数回繰り返します。
弓環の隙間からバネ棒のサビも突いて掻き出します。再度洗浄します。
この時点で弓環の次に繋がる駒の「ピンが突き出ております」。
編集をしていて気が付きましたが、もう発送済み。
ここは使用中に突き出てくるようなら「接着剤を塗って押し込む」。
それで接着剤が固まれば問題無いでしょう。
これが限界でしょう。バネ棒交換なんて到底およびません。潤滑油を注して数日間浸せば外れるかも?ですがそこまでの手間は掛けられません。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
裏蓋も洗浄して綺麗になりましたが凸凹は変わらず。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻し。
バックルは洗浄して綺麗になりました。
全体的にツヤが出て綺麗になりましたが工具が滑った跡が残ります。
時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。