SEIKO DIVER 7548-700B 電池交換メンテナンス
2017.7.14お預かりのSEIKO DIVER 7548-700B 電池交換メンテナンスです。
竜頭の動きをチェックして。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
メタルバンドも同梱で交換もご依頼です。
裏蓋の裏側もチェックして。曇りに見えますが何度、洗浄し直しても落ちませんから汚れ曇りではありません。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
古い時計ですから作業の前に電池を入れて動作確認。残念ながら不動です。
強制運針器に掛けても10秒ほど動くだけ。ただクォーツ・パルスは出ております。
この時計は、もう何処も分解修理は受けてくれません。
交換用メタルバンドも同梱ですし、前に進むしか無いでしょう。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。サビも無く綺麗な状態。
目盛リングがあるので、そのまま洗浄は出来ません。
裏蓋を閉めてまるごと洗浄して浸水が無いかチェックします。
ガラスの曇りが気になりますが、まさに「ダイバーの曇り」の状態で厄介でした。
ダイバーの曇りは何処まで頑張るかによります。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
ガラスの曇りもスッキリしたところで。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して再度、強制運針器に掛けます。
ダイバーですから裏蓋を閉めたら強制運針器の効果は伝わりません。
動き出しますが数分で止まっております。
電池格納部から歯車を送って動き出しますが、やはり1時間ほどで止まっております。
再度、ムーブメント取り出しを行って
今度は秒針を直に触って回し動き出しました。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
さて同梱のメタルバンド。もちろん純正ではなく。
それにしてはピッタシのサイズで作られております。
グリーンのゴムキャップが被せてあるのは「メタルバンド用、専用バネ棒」が落ちないように。本来のダイバー用のバネ棒で、このメタル弓環は付かないでしょう。
さて専用のバネ棒でチャレンジしますが。片方は入りますが片方は穴に届いて居ない。
拡大写真ですが分かりますか。バネ棒を上方向に湾曲させないと入らないでしょう。
15分の格闘のすえ入りましたので、次は反対側ですがこちら根本的に
無垢弓環の幅がラグ部とは違う。
これではラグ部を研磨すしかありません。そこまでの予算も無く
強引に押し込んでいくしかありませんが、それではバネ棒を挿入するのが厄介な作業になります。
30分掛かって取付完了!と時計を見たら止まってる。
ここまで来て動きませんと返却は出来ない。飛んでも無い依頼に手を出してしまったと後悔ですが、後戻りは出来ず。再度、ムーブメント取り出しで禁じ手「注油します」。
就寝前に一度、止まっておりましたが。合わせてから起床時に見てみると時間は合っており発送となりました。
この時計、到着時に止まっていたら特別に「分解修理」で受けますが
費用は20.000円程掛かります。もちろん防水テストは無し。数ヶ月の動作保証も無しとなります。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。