SEIKO Dolce 5E31-6090 電池交換/竜頭パイプ外れ
2022.1.5お預かりのSEIKO Dolce 5E31-6090 電池交換メンテナンスです。
竜頭の動きをチェックして・・・動きません。サビか?
ブレスバックルタイプのバンドです。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックします。裏側よりもパッキンが硬化しております。
パリパリまでは行かないまでも近い状態。
裏蓋を開けるとスペーサーが電池を覆っています。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
電池格納部をチェクしますが異常は無し。電池を入れて動作確認ですが不動です。ただクォーツ・パルスは出ており。
ムーブメント取り出しの為に竜頭を抜きますが不動なだけに固い。といってもココは引くしか無く抜けましたが。なんと「竜頭パイプが抜けました」。ということは「竜頭と竜頭パイプが固着状態」です。
強制運針器に掛けますと動き出します。
ケースの内側もチェックして。
竜頭パイプは外れているのでチェックは出来ず。これはもうこのまま使うしかありません。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
洗浄して綺麗になりましたが。
竜頭操作の度に竜頭パイプを押し込む事になるので針回しが出来ません。
洗浄して「竜頭パイプを外します」。といってお引き抜くしかありませんがパイプだけ抜くのは至難の業。
と作業していると根本からポッキリ!錆びているだけに簡単に折れました。これはもうこのまま返却するしかありません。材料店に探して貰えば竜頭は有るかも知れませんが「オニキス入り竜頭」だけで10.000円はします。そこまでするなら「竜頭パイプも修理」。そこまでするなら「分解修理」となるので30.000円は超える。
そこでガラ箱から使えそうな竜頭を探して。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻し。。
取付。と言っても簡単にはいかず10本目くらいで合う物が見つかりました。
時計は注油のみで何とか動いておりますが、数日は様子を見るしか無いでしょう。もし、止まるようなら竜頭は外して、壊れた竜頭のみ同梱で返却となります。また竜頭は交換しましたが「竜頭パイプ」が無い事に変わりは無く、隙間が空いており竜頭周りに水滴が付けば浸水しますから、使い方には要注意です。
2日間、姿勢を替えながら様子をみましたが正確に動いており発送となりました。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。