Grand SEIKO 9587-8000 電池交換メンテナンス
2019.9.12お預かりのGrand SEIKO 9587-8000 電池交換メンテナンスです。
2本届いたうちの1本。
竜頭の動きをチェックして。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
ベルト調整もご依頼ですが割りピンが詰まって錆びております。
反対側も同じで、いきなり叩いて工具が折れるのは困りますので先ずは洗浄します。
裏蓋を開けるとスペーサーが付いて出てきました。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ガラスと文字盤の隙間の金属スペーサーの取り外し。
裏蓋の裏側もチェックして。パッキンは硬化してパリパリですから後で交換します。
ブレスの洗浄は終わって6時側を1本抜いてみます。こちらからもう一カ所抜いて
一コマ抜きたいですが、ここの一カ所ではコマは外せない。
反対側を抜いて見ます。何とか抜けましたが注油して置いて、1時間の仕事です。
固かった割に意外にサビが少ない。
出切れば、この「↑」のピンを抜きたいですが、どうやってもダメでした。
油分を洗浄して綺麗になりました。割りピンの割れも無く綺麗な状態は
流石グランド、細部のパーツの素材にまで気を遣っております。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
裏蓋ネジは洗浄して綺麗になりました。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻し
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
さてこれからベルト調整。
12時側でハズしか有りません。16cm弱に調整ですから3コマ外しです。
時間を合わせて電池交換メンテナンス&ベルト調整完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。