SEIKO 4120-8020 電池交換メンテナンス
2018.4.7お預かりのSEIKO 4120-8020 電池交換メンテナンスです。
「文字盤の汚れ拭き」と「パッキン交換」がご希望と記載されておりましたが、この時計でそれは難しでしょう。
竜頭の動きをチェックして。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。状態は綺麗な感じです。
ただオールド・クォーツと、まではいかないまでも古いクォーツに間違いは無いので経年のくすみはあります。
ムーブメント拡大。金属のプレートが覆っております。
作業の前に電池格納部をチェクして電池を入れて動作確認。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
文字盤の取り出しにはベゼルを外す必要があります。
若干のサビが見えますが洗浄で綺麗になるレベルです。
ベゼルを外して、ガラスは乗せてあるのみの構造ですが固着しております。
こじ開け工具で外します。
ガラスには金属リングがセットになったタイプ。よってガラス交換となれば「ガラス&金蔵リング」セットのものになりますが、もう部品は無いでしょう。
このパッキンですが硬化しております。ただ交換するにも合うサイズと太さの物がありません。
これが文字盤&ムーブを抜いたケースですが。
これも固着して居るだけでしょうから、このまま洗浄します。
持ち上げたら外れましたが重厚な分厚い金属のリング。
ここにもパッキンが見えます。茶色く見えるのはサビではメッキが剥がれて真鍮が見えております。
置いた衝撃で外れましたので丁度良い。
これがムーブメントで。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。文字盤周辺の緑に変色した部分はカビですが
これが拭いても綺麗にはなりません。
一応は軽く拭いてみましたがやはり色が薄くなった程度。
綺麗にするには「文字盤のリダン」ですが今の時代、このクラスの時計で20.000円くらいは掛かります。というかお勧めはしません。仕上がりがどうレベルか分かりませんから。
分解して洗浄したので綺麗になりました。この写真をみても当時の時計の丁寧な作りが分かります。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースに文字盤&ムーブを戻します。
ガラスも洗浄して綺麗になりました。
このパッキンは割れておりませんから、このまま再利用するのが一番。
ガラスをのせてベゼルリングで押さえ付ける構造です。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
重厚な金属のスペーサーですが、茶色く見えますが洗浄後で綺麗になりました。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。