SEIKO Silver Wave A259-5090電池交換メンテナンス
2020.8.18お預かりのSEIKO Silver Wave A259-5090電池交換メンテナンスです。かなり古いモデルで動く可能性は低いですが一応はお預かり。
プッシュボタンの動きもチェックしますが押し込めない物もあり状態は良く無いです。
ステンレス板巻きバンドに三つ折れバックル。
微調整位置をチェックします。
ラグ部のバネ棒は洗浄して綺麗になりました。
ブレスごと洗浄でバックルの汚れも綺麗に。
裏蓋周りは汚れとサビでビッシリ。
こちらキャリバーです。
裏蓋の裏側もチェックします。
パッキンを外して劣化具合をチェックしますが劣化はしておりますがまだ使用出来ます。交換した方が良いですが代替え品もありません。
これがムーブメントですが電池周りに違和感。
液漏れ状態ですが電池だけにとどまるか?
全体的に湿気が回っております。
電池は完全にアウト。
電池格納部をチェクしますが粉と湿気がまわっておりますから導通するか?この絶縁フィルムも外して拭きたいですが、ある程度部品を外していく必要があり無理はやめておきます。
電池の固定リングも粉でビッシリ、これは洗浄で綺麗になるでしょう。
これが取り出した液晶&ムーブメント。
分解は出来ないので数日、この状態で置いて乾燥してくれる事を期待。
ケースの内側もチェックします。
ガラスを外して丸ごと洗浄したいですが、外せばガラスのパッキンが使えなくあるでしょう。代用品もありませんし、裏蓋を閉めてまるごと洗浄しか無いでしょう。
裏蓋を閉めてまるごと洗浄して浸水が無いかチェックします。これで内部が少し曇りましたので防水機能は万全ではありません。
ブレスですが5回洗浄し直した後、水分をコンプレッサーで吹くとまだ汚れが出ます。丸一日、洗浄器が止まればスイッチONを繰り返し。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
ケースの内部には錆びた粉が散乱しております。デジタルですから歯車は無く影響は無いように思われますが、鉄ですから導通してショートの原因になります。
プッシュボタンは全て外して洗浄します。
錆まで浮いてはおりませんが汚れがビッシリ。これでは動きません。
パイプの方は洗浄が出来ないので拭いていきます。
こちらも錆は無いようです。
プッシュボタンの裏側も錆は無く。
こちらも拭き取っておきます。
プッシュボタンやバネは洗浄して綺麗になりました。
プッシュボタンの穴は拭き取りですが綺麗になりました。
汚れは凄い状態でしたが。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。これ以上の拭き取りが出来ない事が無念。
ブルーのリングは洗浄して綺麗になりました。新しい電池を入れて。
全文字表示しますがリセットがある訳でもなく、時間を待ちます。
パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。
プッシュボタンは全て普通に効くようになりましたが操作では復帰しません。
ブレスも何度、洗浄し直したか分かりませんが綺麗になりました。
おそらくショート状態でムーブメント内部の基板部分での問題でしょう。
ブレスも洗浄して綺麗になったところで。
翌日まで待ってみますが症状は変わらず。そこで裏蓋は開けたままで可能な限り乾燥させる事に努めます。
3日目に電池を入れても変わらず。もう数日置いて見る事にして裏蓋を開けて乾燥させます。
お預かりから一週間、結局は症状に変化は無く。(悪くもなりませんが)発送とします。
全文字表示のママですが、一応動作した事に間違いは無い。また4つのプッシュボタンを同時押しで、アラームの確認が出来ます。一応、機能の確認は出来ましたが腕時計として機能しません。これが限界とさせて頂きます。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。