agnis'b V654-6100 電池交換メンテナンス

2017.7.25お預かりのagnis'b V654-6100 電池交換メンテナンスです。

急ぎという事ですが、プッシュボタンが固着して動きません。

ブレスを外して弓環の汚れもチェックします。

ラグ部の汚れもチェックして。この程度は洗浄で綺麗になるでしょう。

裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。

裏蓋の裏側もチェックして。

これがムーブメントで。

ムーブメント拡大。

竜頭とムーブメントを繋ぐ心棒(巻芯)が錆びております。
どのみち、抜くしか作業を進められませんから「引きます」。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。と言えば作業は順調そうですが。

やはり巻芯は折れました。折れたお陰でムーブメント取り出しが可能になる訳ですが。

ケースの内側もチェックして。

プッシュボタンが固着して動きません。

反対側のプッシュボタンも固着状態。

これは無理に外そうとしたら間違いなく折れます。納期の問題から折れると接着剤です。

竜頭を差し込んでみますが、本来は巻芯が貫通しているもの。

ムーブメント側ですが、折れた巻芯を引き抜けば時計は止まった状態に。
そしてプッシュボタンと連携するムーブメント側のレバーが写真状態。
緑にいろになって錆びております。
この状態からも、電池交換で動くならストップウォッチは諦めて
「時間を見る道具」とした方が賢明。

問題はこの竜頭をどうやって固定するか?このままでは少しの衝撃で
抜け落ちて紛失します。現状、針を回すことは出来ないですから紛失しても
良さそうなものですが、穴が空くので防水機能が極端に落ちます。

兎に角は洗浄しましょう。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。

竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。

裏蓋も洗浄して綺麗になりました。

パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻します。

ムーブメントを戻して電池交換で動作確認。動きました!
状態が悪いので動くか不安でしたが問題無く動き出しました。
これはクロノグラフですから、不動の場合は修理も不可です。
よって返却して諦めて頂くしかありません。

写真では繋がってみえますが折れたママです。

ブレスごと洗浄で弓環も綺麗になったところで。

三つ折れプッシュバックルですが板バネの噛み合わせが浮いており修正します。

巻芯の縁が切れているのでムーブメントが固定出来ません。
使っているあいだに12時位置が横に来ても困ります。
そこで裏蓋に両面テープでムーブメントを固定します。
はめ込みタイプですから出来る事で、スクリューバックではこの手は使えません。

プッシュボタンどころかムーブメント側のレバーをドライバーで押しても反応しません。
つまりゼロ位置合わせが出来ない。そこで直接針を触って回転させて合わせます。

全体的にツヤが出て綺麗になりました。

時計は動いており充分使えます。問題は時間が狂った時に時間合わせを
行うには、裏蓋を開けて巻芯を工具で摘まんで回すしか方法がありません。

バンドを取り付け電池交換メンテナンス完了です。とはばだ言えない。

竜頭は内部から引いて居らず、簡単に抜けます。

接着剤が一番確実ですが、今度修理するときに困ります。

そこで「レジン」を塗ります。レジンでもグミタイプを塗ります。

紫外線照射器に当てて数分で、固まります。プッシュボタンもついでにレジンで固めておきました。所詮レジンですから「間違っても竜頭を引いたり、回したり」は御法度
これなら使用中に落ちる事も無く、防水機能もある程度は確保出来るでしょう。

 

 

SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も悔過した新品です。 よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。

「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。

BRANDJAPANCASIOG-SHOCKその他不動修理受付不可