SEIKO TypeU7121-8000電池交換メンテナンス
2022.3.14お預かりのSEIKO TypeU7121-8000電池交換メンテナンスです。
2本届きましたので一緒にこちらで紹介です。ガラスも入ってあり交換という事でしょうか?
先ずはこちらから。「ガラス外れの前兆」がみえますから洗浄したらガラスは外れるでしょう。もちろん接着のし直し作業が必要です。
竜頭の動きをチェックして。
メッシュバンドですが当時の物は密な作りですから、10回は洗浄し直さないと汚れが落ちない厄介者。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントですが・・・。
ムーブメント拡大。
これは100%動かないでしょう。液漏れして歯車にまで及び錆びた粉が浮いております。この状態で動き事は考えられない。
電池も悲惨。
電池格納部をチェクしますが端子まで錆びて破談しそうです。これでは分解修理すれば良いという問題では無く、各パーツのサビ落としと洗浄をしながらの作業になりますので、普通に分解修理する3倍は時間が掛かります。
ただ外注を受けてくれる所は無いです。5万円ほどの予算があれば、こちらから無理も言ってみますが。分解修理は現実的では無く返却します。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で裏蓋記載。
ラグ部の汚れもチェックします。
サビが酷くて開けたら食い付きがボロットもげそう。
何とか無事に開きましたが表面が凸凹になっております。
これがムーブメントですがパッキンが効いている事とが分かります。これは動作するでしょう。
パッキンは弾力もあり問題無し。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。錆びた粉が散っております。
洗浄前にサビ落としですがこの状態。ここから洗浄して、またサビを削り落としての作業を繰り返します。この状態ではガラス交換などは無理です。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたがまだ、サビが残っており削り落として洗浄し直します。
これでも最終形。
凸凹ですが仕方がありません。
ケースの内側もサビが及んでいました。この錆び具合から判断すると。
ガラス交換はこの金属のベゼルをこじ開けますが、恐らくサビの度合いももっと酷く。交換は出来ても元に戻せなくなるでしょう。無理な作業でガラスを割ればこちらの責任ですからやりたく無い作業です。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
電池を入れて動作確認。パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
問題無く動いて時間を合わせて電池交換メンテナンス完了です。
ブルーの方は返却となりましたので今回は「電池交換&洗浄3.100円コース」1本です。
SEIKOの古いクォーツ時計ですから電池交換で動かない場合は「分解修理」となります。
その場合の費用は10.000円〜30.000円くらいの予算をご用意頂かないと
受付さえ出来ません。
また分解修理して動いたとしても、各所の部品の摩耗もあり
その後10年とかの使用には無理があります。
また問題は電子部品の不具合。これは部品ごとの交換しか対応法がありませんが
もう古い部品ですから存在しません。
存在しても、それは何十年も経過した新品です。
よって分解修理で動いても、
その直後に「電子部品の不具合が出た場合は修理の費用が無駄になる」
そのリスクはご了解頂かないと後悔する事になります。
よって古いクォーツは「電池交換で動けば使える時まで使えばOK」と
割り切って使用される事をお勧めします。
「TAG HEUERのページ」では殆どでパッキン交換が行われておりますが。
TAG HEUERのパッキンが劣化している事が多いのでは無く。
「交換用のパッキンが入手出来る」という事です。
更に普通のOリング形状ですから既製品でも合わせる事が可能。
他の電池交換も必ずパッキン交換が必要ですが、入手出来無い為に交換出来ません。
残念ながら殆どの電池交換では元のパッキンを再利用となります。
また「竜頭パッキン」の交換も不可ですから防水機能にはご注意ください。